《第7話 境界の核心》
赤い月が森を赤紫色に染める中、三人――桜井一真、影の一真、しおり――は森の奥へ進んでいた。
地面にはまだ影の爪痕が残り、黒い霧が森の中でうごめく。
一真は肩で息をしながら言った。
「ここが、境界の核心か……」
しおりは頷く。
「うん。ここまで来れば、影の力の源――“境界核”が見えるはず」
影の一真は赤い瞳を光らせ、森の闇を睨んだ。
「くそ……やっと核心か。
ここで決着をつけるしかない」
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◆ 境界核の出現
三人がさらに進むと、森の中央に巨大な闇の塊が現れた。
それはまるで生き物のように蠢き、森全体の光を吸い込んでいる。
一真は手のひらを握り締め、桜紋の光を集中させる。
「……しおり、影の一真、行くぞ!」
しおりは銀の鍵を掲げ、空中に光の結界を描く。
影の一真は桜紋を強く輝かせ、光の衝撃波を生み出す。
黒い塊に光がぶつかると、轟音と共に衝撃波が森を震わせた。
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◆ 二つの世界を背負う戦い
影の塊から無数の影が飛び出す。
無数の腕、爪、牙の形をした影が一斉に三人に襲いかかる。
一真と影の一真は呼吸を合わせ、二方向から光の衝撃波を叩きつける。
しおりも光の結界で影を押し返す。
衝撃で森が揺れ、桜の幹が軋む音が響く。
だが、影は完全には消えない。
「まだ……だめか……!」
一真は手のひらを強く叩き、桜紋の光をさらに強める。
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◆ 境界核の真意
闇の塊の中心で、黒い霧が渦を巻き、声が響いた。
「二つの世界を選ぶ者よ……
真実を理解せよ。
この戦いの意味を……」
影の一真が声を返す。
「わかってる。
俺たちは、二つの世界を繋ぐ存在。
守るべきものがあるから戦う」
しおりも深く頷く。
「二人で力を合わせれば、境界も救える。
諦めないで……!」
桜紋と銀の鍵の光が合わさり、黒い塊に届く光の柱となった。
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◆ 希望の光
衝撃波が境界核を貫き、闇が一気に裂ける。
森全体が桜色の光に包まれ、影の塊は粉々になった。
赤い月の光が和らぎ、森に静寂が戻る。
桜の花びらが舞い落ち、三人の周囲に淡い光が差す。
影の一真は微笑んだ。
「やった……これで二つの世界は安定する」
一真も深く息を吐きながら頷く。
「……俺たち、やっと……守れたんだな」
しおりは二人を見つめ、少しだけ微笑んだ。
「これで……少しだけ、未来が見えたね」




