《第35話 森に潜む微かな異変》
桜の花びらが舞い、穏やかな光が森を包む午後。
三人は笑い声を交わしながら、先日の試練後の平穏を楽しんでいた。
しかし、森の奥深くで微かな影が揺れ、空気にわずかな違和感が混ざる。
一真は足を止め、眉をひそめる。
「……何か……違和感がある」
影の一真は赤い瞳を細め、森の奥を見つめる。
「……静かすぎる時ほど、異変が潜む。油断はできない」
しおりは銀の鍵を握り直し、結界の力を軽く確認する。
「ええ、でも今はまだ小さな兆候……警戒しながら進みましょう」
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◆ 異変の兆し
森の奥、微かに霧が揺れ、かすかな低い声が聞こえる。
三人が慎重に近づくと、倒れた木の影に、以前の小さな黒い影とは違う形が揺らめいていた。
一真は桜紋を手に浮かべ、影の一真と視線を交わす。
「……あれは……何だ?」
影の一真は赤い瞳を光らせ、警戒を強める。
「……新しい試練かもしれない。三人で力を合わせるしかない」
しおりも銀の鍵を高く掲げ、結界を展開する。
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◆ 戦闘の兆しと心理描写
黒い影は森の中で形を変え、攻撃を仕掛けてくる。
一真と影の一真は桜紋を同時に光らせ、防御と攻撃の連携を整える。
しおりは結界で二人の背後を守りつつ、光の波動で影を押し返す。
一真は心の中で影の一真を見つめる。
「……お前がいるから、迷わず戦える」
影の一真も赤い瞳を揺らし、短く頷く。
「……俺も、お前がいるから前に進める」
しおりは二人の手を握り、微笑む。
「三人でなら、どんな異変も恐れない……!」
三人の心が光となり、黒い影に突き刺さる。
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◆ 微かな勝利と次への予感
衝撃で黒い影は揺らぎ、霧は徐々に消えていく。
森には静けさが戻り、桜の花びらが舞う。
一真は息を整え、しおりと影の一真を見つめた。
「……今日もなんとか切り抜けたな」
影の一真は微笑む。
「……でも、この森にはまだ見えない力が潜んでいる気がする」
しおりも頷き、銀の鍵を胸に抱く。
「ええ、三人で力を合わせれば、どんな異変も乗り越えられる」
三人の手が自然に重なり、森の光に包まれながら、絆と恋心を確認する。
しかし、森の奥深くで小さな気配が、次の試練の予兆として揺らめいていた。




