《第32話 日常に潜む小さな影》
桜の花びらが舞う午後、森は静かな空気に包まれていた。
三人は小道を歩きながら、先日の戦いの余韻を楽しんでいたが、森の奥に微かな揺れを感じ取る。
一真は小石を蹴り、影の一真を見つめる。
「……なんか、いつもより静かだな」
影の一真は赤い瞳を細め、森の奥を警戒する。
「……静かな時ほど、何かが潜んでいるものだ」
しおりは銀の鍵を握り直し、軽く結界の力を確認する。
「ええ、油断は禁物ね。小さな影でも、現れるかもしれない」
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◆ 小さな事件の兆し
森の奥、枯れ葉を踏む音が微かに聞こえた。
三人が慎重に近づくと、倒れた木の陰に小さな黒い影が揺らめいていた。
影はまだ完全に形を成していないが、森の秩序を乱す存在であることを示していた。
一真は桜紋を手に浮かべ、影の一真と視線を交わす。
「……また試練か?」
影の一真も赤い瞳を光らせ、短く頷く。
「……三人で力を合わせる時だ」
しおりも銀の鍵を高く掲げ、結界を展開する。
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◆ 戦闘の兆し
黒い影は森の中で揺らめき、三人に向かって襲いかかろうとする。
一真と影の一真は桜紋を同時に光らせ、防御と攻撃の構えを整える。
しおりは結界で二人の背後を守りつつ、光の波動で影を押し返す。
「……三人で連携すれば、この程度なら問題ない!」
一真の叫びに応じ、影の一真も攻撃を重ね、しおりの結界が影を押し返す。
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◆ 心の絆と恋心
戦いの合間、一真は影の一真に視線を向ける。
「……お前がいるから、怖くない」
影の一真は短く頷き、赤い瞳が揺れる。
「……俺も、お前がいるから戦える」
しおりは二人の間で手を握り、心の中で微笑む。
「三人でなら、どんな影でも怖くない……!」
三人の心が光となり、黒い影に突き刺さる。
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◆ 希望の光
衝撃で黒い影は揺らぎ、霧は消えていく。
森には静けさが戻り、桜の花びらが舞う。
一真は息を整え、しおりと影の一真を見つめた。
「……今日もなんとか切り抜けたな」
影の一真は微笑む。
「……森の秩序は少なくとも今は保たれた」
しおりも頷き、銀の鍵を胸に抱く。
「ええ、三人で力を合わせれば、どんな試練も乗り越えられる」
三人の手が重なり合い、森の光に包まれながら、絆と恋心を確かめた。




