《第19話 穏やかな日常と微かな違和感》
桜の花びらが舞う穏やかな午後。
三人は森の小道を歩きながら、笑い声を交わしていた。
一真は小川のせせらぎに耳を傾け、影の一真は赤い瞳を細め、しおりは微笑みながら二人を見守る。
一真はふと立ち止まり、影の一真を見つめた。
「……最近、お前の表情が少し柔らかくなった気がする」
影の一真は目を逸らし、短く頷く。
「……ああ、そうかもしれないな」
しおりは二人の間に立ち、心の中で微笑む。
「二人とも、少しずつ心を開いてきている……それが嬉しい」
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◆ 小さな違和感
森の奥、わずかに霧が揺れる。
目に見える形ではないが、微かな異質な気配が漂っていた。
一真は桜紋を手に浮かべ、影の一真と目を合わせる。
「……また、何か来るのか?」
影の一真は赤い瞳を鋭く光らせる。
「……気配は小さい。だが、油断はできない」
しおりも銀の鍵を握り、結界を軽く張り直す。
「ええ、私たち三人なら、どんな影でも大丈夫」
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◆ 心の距離と恋心
三人は森の中の小川のそばで休憩を取る。
一真はそっとしおりの手を握り、視線を合わせる。
「……お前といると、少し勇気が湧くんだ」
しおりは頬を赤らめ、小さく微笑む。
「私も、二人と一緒にいると安心する」
影の一真も少し照れながら、一真の肩に手を置く。
「……こうして平穏な時間を共有できるのも、貴重だな」
三人の間に、微かな恋心と確かな絆が流れる。
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◆ 微かな予感
森の奥で黒い霧が一瞬揺れ、わずかに形を変える気配を見せる。
今は小さいが、やがて大きな試練になるかもしれない。
一真は拳を軽く握り、影の一真としおりを見た。
「……どんな脅威が来ても、三人で乗り越える」
しおりも頷き、銀の鍵を握り直す。
「ええ、私たちなら大丈夫」
三人の手が自然に重なり、桜の花びらが舞う中、次なる試練への静かな決意が芽生えた。




