表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

16/100

《第16話 森に忍び寄る影》

 朝の光が森に差し込み、桜の花びらが舞う。

 三人はいつもの小道を歩きながら、和やかな会話を交わしていた。


 一真は小石を蹴りながら、影の一真を見た。


 「……最近、森がやけに静かだな」


 影の一真は眉をひそめ、視線を森の奥に向ける。


 「……静かなときほど、危険は近いものだ」


 しおりは銀の鍵を握り、少し緊張した面持ちで二人を見つめた。


 「ええ、油断は禁物よ。森の中にはまだ、微かな影が潜んでいるかもしれない」



---


◆ 小さな事件


 そのとき、森の茂みからかすかな悲鳴が聞こえた。

 三人はすぐに駆け寄る。


 そこには小さな子鹿が罠にかかって動けなくなっていた。

 黒い霧のような気配はなく、ただ森の中の小さな事故だった。


 一真は子鹿を抱き上げ、優しく撫でる。


 「大丈夫、怖がらなくていい」


 影の一真も手伝い、罠を解く。

 しおりは銀の鍵を掲げ、子鹿の周囲に安全な結界を作る。


 「……こういう小さな事件も、私たちの役目ね」


 三人はほっと息をつき、少しだけ笑顔を取り戻した。



---


◆ 微かな不安


 しかし、森の奥にわずかに黒い霧が漂い、

 影の一真はすぐに気づいた。


 「……まだ完全に消えたわけじゃない」


 一真は桜紋を手に光らせ、しおりと目を合わせる。


 「……どんな脅威が来ても、俺たち三人で守る」


 しおりも頷き、銀の鍵を握り直す。


 「ええ、私たちなら大丈夫」


 三人は手を重ね合い、微かな影の気配に備える。



---


◆ 心の距離


 子鹿を安全な場所に戻した後、三人は森の小道を歩きながら会話を再開する。


 一真はしおりにそっと声をかけた。


 「……お前といると、なんだか安心するんだ」


 しおりは頬を赤く染め、微笑む。


 「私も、二人と一緒だと落ち着く」


 影の一真も少し照れながら、一真の肩に手を置く。


 「……こうして平穏な時間を共有できるのも、貴重だな」


 三人の間に、微かな恋心と確かな絆が芽生え、森の中で静かに結ばれていった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ