《第13話 穏やかな日常と微かな予感》
春の光が森を優しく包み、桜の花びらが舞う。
三人は戦いからしばらくの間、穏やかな日常を取り戻していた。
一真は小川のそばで石を投げ、波紋が広がるのを眺めていた。
「……こういう時間も悪くないな」
影の一真は赤い瞳を細め、少し照れくさそうに言った。
「……ああ、戦いの後は特に心が落ち着く」
しおりは二人の間に立ち、銀の鍵を手に微笑む。
「ふふ、でも油断は禁物よ。森の中にはまだ小さな影が潜んでいるかもしれないから」
一真は肩をすくめて笑った。
「まあ、それは後で考えるか。今は……ただ楽しもう」
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◆ 心の距離と恋心
森の中で三人は笑い合い、互いに距離を縮めていく。
一真はしおりの手をそっと握り、視線を合わせる。
「……お前と一緒だと、落ち着くんだ」
しおりは頬を赤らめ、小さく微笑む。
「私も……同じ気持ちだよ」
影の一真は少し照れた表情で、一真の肩に手を置く。
「……俺も、こうして二人と過ごせる時間が嬉しい」
森の空気は柔らかく、三人の間に微かな恋心と信頼が芽生えていく。
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◆ 微かな予感
しかし、穏やかな日常の中でも、森の奥から微かに黒い霧が漂っていた。
小さな影は、まだ完全に消えてはいない。
影の一真がそれに気づき、眉をひそめる。
「……まだ、油断はできない」
一真は拳を軽く握り、決意を込める。
「どんな脅威でも、三人で乗り越える」
しおりも頷き、銀の鍵を握り直す。
「ええ。私たち三人なら大丈夫」
桜の花びらが舞う中、微かな影の気配は、次なる試練を予感させる。




