表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/13

プロローグ

森には、人の世とは違う時間が流れている。


深い木々に囲まれた小道を抜けた先――

そこにぽつんと建つ一軒の小屋は、村の外れのさらに向こう。

古くは“森の魔女”とささやかれたその住人が、実はただの若い薬師だということは、年配の村人なら皆知っている。


だが、世代が変わるにつれ、「薬師リューリカ」は「魔女リューリカ」に変わっていった。


表情が乏しく、いつも黒ずくめのローブを纏い、ほとんど村には降りてこない。

けれど、毎週金曜だけは広場に姿を現す。

淡々と薬草を売り、子どもにも大人にも分け隔てなく処方を渡す姿は、静かだが決して冷たくはない。


ただ、”愛想”というものを期待すると、たちまち返り討ちにあう。

魔女呼ばわりに対しては軽い皮肉で切り返し、無遠慮な質問はぴしゃりと遮る。

村の若者たちは、「近づきがたい」と口を揃える一方で、金曜の市にだけ現れるその姿に、密かに目を向ける者もいた。


そのリューリカの耳にも、最近ひときわ騒がしい話題が届いていた。

教会に、新しい牧師が来たのだという。


「話が上手で」「優しくて」「あの顔は反則」と――

村の若い娘たちは目を輝かせ、年長の婦人たちは「久々に礼拝に出ようかしら」と囁き合う。


(教会の話なんてどうでもいい。私には関係ない)


そう思っていたはずだった。


――けれど、霧の深いある朝。

その噂の本人が、森の薬草小屋の扉を叩いた。

架空のヨーロッパ風の雰囲気で進むお話しです。

日付で進んで、1日が1話…という感じですので、あまり1ページの字数は多くはありません。

初連載で至らない点もあるかと思いますが、温かく見守っていただけたら幸いです。

なにとぞ、よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ