④
数日後、引っ越し先に火災で亡くなった人間の遺族達が木村家に押しかけ
火災は紅花の仕業だと決めつけて罵詈雑言を吐く始末
警察を呼びお帰りいただいた
そしてまた数日後、押しかけていた遺族達は、全員破滅した
会社をいくつも経営して裕福な暮らしをしていた清村家ですら
どういうわけか事業はすべて立ち行かなくなり、すべての会社が倒産に追い込まれた
それに伴い今まで行っていた数多くの不正が明るみに出て逮捕者も続出
加えて病気や事故による怪我による死傷者も多く出てしまった
他の遺族も同じような状態になり、木村家は平穏を・・・取り戻せなかった
この頃からあの家の人間と関わったらろくなことにならない
こんなに都合のいいことばかり起こるのはおかしいと周囲は噂するようになった
それを聞いた子どもが紅花に石を投げたり、『人殺し』と罵声を浴びせると
石を投げた子どもは事故で腕がなくなり、罵声を浴びせた子どもは喉の病気になり
一生声が出ないようになった
ここまでくるとただの偶然だと言っていて木村家と親しい人間ですら
彼らのことを気味悪がるようになった
それから十数年、腫物を扱うような状態であったので特に事件らしいことは
起きていなかったので、紅花は自分に危害を加えた人間が不幸になるとは思っていなかった
けれど、清村麻彦が訪れたことで
紅花は自分が呪われている存在だとことを嫌というほど理解することになった