Number 5 「勘違いと兼任」
「お嬢様から離れろ!!」
!?
なんだ?
「貴様が賊どものリーダーだな!!」
「いや、違うけど」
「嘘をつくな。聞いてたぞ!貴様が賊からボスと呼ばれた所を!!」
女騎士が目覚めたのはいいけど、1度勘違いすると面倒くさい系統の人だ
「おやめなさい!!この御方は私と貴方の命の恩人なのですよ!それを恩を仇で返すような真似は許しません!」
「貴様ぁ!お嬢様を洗脳したなぁ」
「うわぁ(哀れみの目)」
「ふっ、図星か?」
「何言ってんだお前(笑)」
「なぜ笑う。何がおかしい」
「俺が来なきゃメアとお前は死んでた。ただそれだけの話だ」
「嘘も大概n」
ペシーンと甲高い音がなった
「いい加減にしなさい!貴方はどれだけ恥を晒せば気が済むのです?王城の門までの護衛をもって貴方を私の護衛騎士から解任します。尚、これは第2王女メリアーヌ・サグラニアとしての命令です。」
「そ、そんな」
ギラッっと俺を睨んで
「全部貴様のせいだ!」
「はいはいソウデスカー」流しながら俺はメアに言われるがまま馬車に押し込まれた。女騎士が馬を進めるようだ。馬車の中でメアにこの世界の常識を教えて貰った。
驚きが凄かった。魔法は第1階級は皆が使えるいわば生活魔法と呼ばれ、第2階級で魔法使いと呼ばれ、第3階級は賢者、第4は大賢者と呼ばれ、最上位の階級は第6階級だそうだ。
俺の知識と常識の差がざっとこんな感じか
最上位階級は第6ではなく第11階級。
生活魔法は第1ではなく第3まで。
賢者は第3ではなく第5、大賢者は第4ではなく第8
第11階級は神の使徒、または理から外れし者が使える階級
思ってたより差がすごいし、魔法が弱体化したとしか思えなかった。又、魔法術式に関することは一切分からなかった。この感じじゃ魔陣の知識は消えてそうだな。
王城に着いたら「しばらく待っていてください」と言って待合室から出ていってしまった。
戻って来たと思ったらなんか体を強制的に洗われて、服を着せられ、見れば分かる玉座の間に連れてこられた。玉座には国王らしき人物が座っていた。
「両者面をあげよ!よくぞ戻った、メリアーヌよ。そして我が娘をよくぞ守ってくれた。貴殿には国王として、1人の父親として感謝する」
「いえ、偶然通りかかったので。ですが騎士たちの命が散ってしまいました。もっと早く気づけていれば...」
「お礼をしたい。なにか申してみよ」
「失礼を承知で言わせてもらいます。私の願いよりメリアーヌ王女殿下の護衛を先につける方が良いと思います」
「わかった。メリアーヌよ。護衛に誰が欲しい」
「お父様、私は護衛にこの御方を選びたいです」
え?
「よかろう。引き受けてくれるか?」
「え、あ、はい」
あ。想定外過ぎて返事しちゃった。まあいいか
だが、やつからには徹底的にってね
「貴殿の名はなんと言う。」
「海都と申します」
「ではカイトよ、そなたにメリアーヌの執事兼護衛の任を授けよう」
「承りました」
こうして俺はメア、メリアーヌ王女の執事兼護衛となった
これにて〔序章【運命】〕が終わりました
ここで何となくの構成を説明しておきます。
序章→中核の章→終章→番外編
の構成で考えています
2話くらい閑話を挟んでから中核に入らせて頂きます