Number 43 「親と子」
神界から帰ってきたら王都の外に瀕死のドラゴンと嫌な気配を感じたから空を飛んで行こうとしたらなんか瀕死ドラゴンと嫌な魔力を放っている狼の間に転移しちゃった
「どういう状況?」
飛ぼうとしたら転移んだ。
あと黒いドラゴンは瀕死、赤い狼は嫌な魔力を放っている。そしてドラゴンにとどめを刺す攻撃がこっちに向かっている。その間に俺という構図
もしかしてこうすれば
「*喰らえ*」
わー。なにこれえっぐい。大地が割れて槍状の魔法を食べちゃった。しかもちゃっかり俺の力になってるし
「*動くな*」
「グルウゥゥゥ」
唸るだけで動けないでいる。ホントに人間やめたんだなぁ
俺はドラゴンに向き直って言った
「*治れ*」
あらぁ?半分くらいしか治らなかった。なぜ
「なら《番外創成:全治全快》」
これで完治した
『あれ程の治らぬ傷を完治させるとは』
「念話か、大丈夫?ドラゴンさん」
『妾より妾の友であるせっちゃんを頼む』
「わかった。任せろ」
「グルウゥゥゥ」
「《浄化の光》」
「グルアァァァ」
「おまけだ!《付与:神王の加護》」
シュゥゥゥゥ
煙をたてて嫌な魔力が散っていった
「いやー、完全に人間辞めたな」
『ありがとう』
「気にすんな。それより何があったのか聞かせてくれないか?」
『妾とせっちゃんはこことは違う世界、グラファーブルという世界で暮らしていた。だが、奴が現れて妾とせっちゃんに呪いと加護を付与された。そのせいで凶暴化していた。運良く妾は抜け出せたけどせっちゃんは飲み込まれてしまった』
「それで戦ってた訳か。《鑑定》」
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名前:<なし>
種族:黒竜[最上位]
lv:830
【スキル】
《最上級魔法極化》《念話》《破滅の魔眼》《魔力支配[神級]》
{詳細情報}
状態:健康
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うん、問題ないな
次は狼の方か
「《鑑定》」
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名前:<なし>
種族:神獣フェンリル→神獣王[神狼]
lv:1031→2054
【スキル】
《魔力支配[神級]》《色能変化》
《邪気操作[A]→邪気支配[神級](New)》
《王狼覚醒(New)》
【称号】
*狼を統べる者 *邪気を克服した者
*神王の加護を受けし者 *王狼
{詳細情報}
状態:健康
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問題なし
『妾と主従契約をお願いする』
『我もー』
「え」
『汝、妾の主とする』『同じく我の主とする』
「認めよう、これからもよろしく」
『うむ、これからもよろしく頼むぞ、主殿よ』
『主ー、これからもよろしくー』
「じゃあ、黒竜はスフィア、王狼はペルシャってこれから名乗れ」
ピカァァァァァァァァァァァァァン
「眩しっ」
黒竜と王狼がいた場所には人がいた
黒竜は身長が170くらいで和服を着た黒髪黒目の日本人を彷彿させるような綺麗な女性がいた。
王狼は身長が140〜150くらいでワンピースを着た赤髪赤目の少女姿の人、いや耳としっぽがあるから獣人がいた
「主ー!!」
獣人の子がてけてけではなくビューンと抱きついてきた。一方和服の女性はどこからか取り出した扇子を持っていた
「さすがは主殿。妾とせっちゃん、いえ、ペルシャが《人化》を覚えられるほどとは」
あー。やっちまった。でも人手が増えるからいいでしょ
( *¯ ꒳¯*)
「主殿、これを少し食べてくれないか?」
なんだこれ、なんか赤いボール?
「もぐもぐ」
「・・・・・」
「もぐもぐ」
「・・・・主殿。気づいておるのだろう?」
「・・・・」
「味がしないのに黙っておるのは誰かは知らぬが心配させない為なのだろう?」
「黙っててくれ。嫌な予感がするんだ。俺が命に替えてでも殺さなきゃいけない奴が現れる。そんな予感が目覚めてから薄々感じてるんだ」
「主殿......」「主?」
「ん?なんだあいつ」
体格のいい黒いローブをまとった男が歩いてきた。
「くくく、まさかこっちに来ることも出来るとはさすがだねぇ。2代目神王狐枯海都」
「は?」
「おいおい2代目の神王は初代のことも知らないのか?くくく、せっかく準備したのに台無しだな」
「え、、、、いや、、、、そん、、、な」
俺はこいつを知ってる。忘れたくても忘れられないクソみたいな思い出。星那が死ぬ前の、幼き記憶
「なんで、てめぇがいるんだ!!クソ親父!!!」
《隕石落下・極》
「久々の再会早々隕石かぁ。温いんだよなぁ《反極の断魔 LV1》」
そして隕石は消える。空に穴が開き、空間が歪んだ
「なんで今更会いに来た....」
「ただ挨拶に、な」
「《グングニル》」
呼び掛けに応えて、炎の槍がいくつも生成される
「やめとけよ。今の力じゃ逆立ちしようが勝てねぇよ。さて、半年後、お前の大切なものを壊す。せいぜい足掻き苦しみ死に絶えるのを待つんだな」
そう言って親父、狐枯 泉都は霧のように消えてしまった。
「まだ.........生きたいな……………………」
ポツリとでた弱音は虚空へと消えていくのであった
୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧
同時刻王城:メアの私室
そこにはメア、クレス、レナの姿があった。
「お嬢様。私もここにいて良いのですか?」
「いいのです。だって3人の女子会ですから」
「女子会、そういえば聞かんでいたが前世が弟子の妹と聞いたが、そこのところはどうなのかしら?」
「あー。兄妹と言っても血は繋がってなかったんです。私の前世は母の連れ子で、義父が酷くてカイトが虐待を受けていたのに私には優しく、庇ってくれてたんです。私より自分の方が辛いのに......」
「虐待....道理で初めて魔森林で見つけた時に人の手でつけられた傷が多かったのね」
「お嬢様!やはり私が...」
「いいの!聞いて欲しいから.......」
「なら、私が愛弟子にした訓練の簡易版をやる?」
「お願いします!」
「お嬢様がやるのであれば私にもお願いします。」
「わかった。これ以上愛弟子に無茶をさせてはいけないからね」
「無茶、ですか。それはカイト様が人を辞めたことですか?」
「違うわ。確かに無茶だったけど問題はそこじゃないの。神になったとはいえ五感や精神は人のまま変わる事はほとんどないと聞いたわ。でもあの馬鹿弟子は五感で気付かれにくい感覚と感情を少しずつ崩壊させているの」
「「!?」」
「今はまだ少ししか崩壊が進んでないけど、それも時間の問題ね。そして私が使った奇跡の技を託してきた者が言ってたけど私を邪魔しようとした声のことを『システム』って呼んでたの」
「システム......」
「カイト様を救う方法はないのですか?」
「現状、本人にやめてもらわないと無理ね」
「お嬢様、言いずらいのですが、もう手遅れかもしれません。」
「レナ?どういうこと!?」
「いえ、何故かつい先程、手遅れと感じまして。自分でも分かりません。ですが、手遅れになる何かが起きたような予感を感じたのです」
「予感?」
「はい、まるでカイト様がこの世界から消えてしまう。そんな予感です」
▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃
[これで良いのですか?]
「良くはなかろう。じゃが、こうでもしなければ12ある世界のうち最低でも2つが消えてしまう。」
[私の後継となるシステムは既に芽吹いています。そのため世界コード02にいる個体名レナに対してスキル《天啓》を付与。並びに世界管理者の消滅後、世界コード02に存在するシステムコード【ミーフェリウム・リジェスタ】に全権能、並びに知識等を譲渡]
「すまんな、この老いぼれに付き合ってもらって」
[いえ、マスターの半身の目的は彼の世界化を望んでおります。ですが、それではマスターの後継者には向いておりません]
「もし彼が、海都が誰かを愛することが出来るのであれば、な」
[そうですね。ですが半身の方がやりすぎたらどうするんですか?]
「あ」
[はぁ、全く。マスターはそこら辺が抜けているんです]
やれやれと呆れた声を上げるのであった
中核章 中はこれにて終わりとなります。
ここまで読んでくれた方は本当にありがとうございます
本作は一旦完結にさせていただきます
書いてる自分が言うことじゃないけどやばいよ。ハッピーエンドを目指して書いてるのになんかバットエンドへの道を歩いてる自分にびっくり。
ちょっとストックとシナリオの調整をするために完結にするのです。
これからもよろしくお願いします