Number 36 「願いと祈りの夜空」
『集え!願いよ、祈りよ、我が力を持って救いを!《願いと祈りの夜空》』
静かで尚且つ強い声が響いた。
そして空が星のない夜空へと変化した。
夜空に真っ赤に輝く星が南の夜空に現れた。
〜南の領地:saidメア?〜
「カイトの命が消えてしまう。これは確定事項?否、生あるものはいずれ死が待っているけど、、、、それは"今"じゃない」
「お嬢様?」
レナはメアに問う。
「転生特典を女神様に貰って置いて良かった。あなたは命を対価に禁忌の魔女を助けたんだよね?わかるよ。だから、」
「お嬢様、何を言っているのですか?転生特典とは一体何を言っているのですか?」
「ごめんなさい。レナ。迷惑をかけて。それでもカイトが命を賭けた。だから私の番なの。」
「何を言っているのですか?危険な真似はさせませんっ!」
「大丈夫、怖くないよ。2度目だから。前は私を助けようとして間に合わずに失敗した。でもいつも助けてくれた、守ってくれた。あなたは私の、私にとっての英雄なの。だから今度は私があなたを助ける番。」
「お嬢様!!何をするつもりですか?私は、、、」
「大丈夫。笑って、、、ね?何とかなるよ
お願い。願いを叶えて、《最愛なる者への贈り物》」
いつの間にか空が星無き夜空に真っ赤な星が出てきた。《最愛なる者への贈り物》と《願いと祈りの夜空》と共鳴したことで、力が増幅した。尚且つ、使用目的の合致によって何倍にも増幅していた。
グラッ
「お嬢様!!」
レナが倒れそうになったメアを支えた。
メアは意識が無くなりそうな中で最後にここには居ない誰かに言った。
「これで恩返しになったかなぁ?
・・・・・・・・・・・・・・お兄ちゃん、、、」
〜王国の人達〜
誰が言ったか、人々は夜空となった空を見て皆祈った。祈り、願い、希望の力はとても強い。
人は善にも悪にもなる矛盾だらけの生物。
人の願い、希望、祈り、誰もが空へ祈る