Number 2 「一難去ってまた一難」
「さて、どうしよ」
数時間歩いて森を抜けたが俺は今、森に入ってすぐのところに隠れている。それは俺の目線の先にあるものが目立つからだ。
どう見ても貴族が乗ってそうな豪華な馬車とそれを襲っている賊15人。騎士っぽい人が戦ってるけど2人しか残ってないし、まずいな。
今のところ、大剣持ちが1人、長剣持ちが6人、弓持ちが3人、短剣持ちが4人、手ぶらっぽいけど魔法用の杖?を隠し持っているのが1人だな。騎士の方は盾と剣を2人とも持っているな。騎士団かなんかか?
まあ、見逃すにしても助けるにしても相手がどのような魔法を使うか分からない以上、下手に飛び出して返り討ちに会う可能性もあるしなぁ
使えるもん使ってなんとかするしかないか!
「さて、空間収納魔法には、、、いやこれからはアイテムボックスと呼ぼう。なにか使えそうなのねぇかなぁ」
空間収納魔法改め、アイテムボックスの中で今使えそうなのは
【アイテムボックス】
・サバイバルナイフ×3 ・包丁×2 ・砥石×5
ざっとこれくらいかー
うーむ、砥石5個もあるし賊に向かって投げれば牽制になるはずだし。魔法も火属性第1階級の〈ファイア〉を使って、形を銃弾の様にし、尚且つ高速回転させながら撃てば最小の魔力で良さげな威力が出る!
「これで死んだら、、すまん」
俺は森から飛び出すと同時に左手の砥石を今にも馬車に入ろうとしている長剣持ちの頭を目掛けて投げたのとほぼ同時に〈ファイア〉を1番外側にいる1人の弓持ちに向けて放つ。
長剣持ちの頭が吹き飛んだ、、、
弓持ちが避けなかったため、頭を貫きそのまま炎が全身へと広がりご臨終
同時に1番近い敵の喉をナイフで切り裂き立て続けに近くにいる2人にアイテムボックスから取り出した包丁2丁を投げた。1人は即死、もう1人は腹部にあたったか、出血多量で死ぬな。
「剣2、弓1、短2」
「おい、何だこいつは」
「敵襲だぁ」
「何だこいつ、魔法を使ったのか?」
統制が乱れた
「残り10人」
魔法使い(仮)にナイフを投げ、賊の1人が持ってた長剣を拾い、構えた。「剣術は専門外なのよ」と師匠に断られたが、俺を今まで育ててくれたじいちゃんの弟子が受け継いだ道場で《カマエル流》を使いこなせるように指導してくれた。2人目の師である
「カマエル流、“1天 音速の一閃”!!」