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ユリウス・カエサル ~ローマの頂点にワイは立つ~  作者: 名無ナナシ
一年目 ヘルティー族との戦い
6/40

6

カエ「ドヤァ」

ラビ「なにやってだお前?」

カエ「せっかく城を作ったんやから王様ごっこや」

カエ「どや?すごいイスやろ!」

カエ「特注品やで」

密偵「ちなみにこのイスだけでボクなら十年は遊んで暮らせます」

ラビ「ハァ…お前な…共和制の国で王様ごっこは自殺行為だぞ」

カエ「まあでも雰囲気が出て言いやろ」


ラビ「少しは自分の立場を考えろ、ホレ」

カエ「なんやその紙の束は?」

ラビ「元老院からの恋文だ」

カエ「なんや抗議文書かいな」

カエ「そんなもん燃やして暖を取るしか使い道ないやろ」

ラビ「ハァ…」

カエ「まあええ、密偵、報告を頼むで」

密偵「了解です」


密偵「我々ローマ軍は国境線の防衛に成功」

密偵「その後も国境に留まり続け、昨日全軍が合流しました」

カエ「うむ」


密偵「次に敵の動向ですが」

密偵「少し離れた場所で右往左往しています」

カエ「なんや、まだワイらに戦いを挑む気概があるんか?」

ラビ「いや、それはないだろう」

ラビ「万全な状態になった我々に戦いを挑むとは思えん」

ラビ「仮に攻めてきても迎撃は容易だ」


カエ「ほなら、なんで帰らんのや?」

カエ「三十万の大所帯やぞ、兵糧が持たんやろ?」

密偵「これは捕虜からの尋問から得た情報ですが」

密偵「彼らは故郷を焼いてきたようです」

カエ「は?なんでそこまでするんや」

ラビ「常軌を逸してる」


密偵「情報が錯そうしてまして…詳しいことは…」

密偵「ですが、彼らに帰る場所がないことは確かなようです」

ラビ「それだとまずいな」

カエ「なにがや?」

ラビ「食べ物がなくなると人間は必死になる」

カエ「そりゃそうや」

ラビ「さっきは迎撃は容易だと言ったが…」

カエ「死に物狂いの人間が押し寄せてきたら話は別やな」

密偵「それも三十万ですからね…」


小指で頭をカキカキ……


カエ「しゃーない食料を提供するか」

カエ「それで生活が安定するまで世話してやるか」

密偵「えっ、敵ですよ」

カエ「三十万の死兵を相手にするリスクを考えたらマシやろ」

カエ「それにこれがきっかけで友好が結べれば将来的には得や」

ラビ「だが、奴らが素直に応じるか」

カエ「そうやな…それに元老院とローマの民衆が納得するか…」

密偵「……なんだか戦うよりも面倒ですね」

カエ「政治なんてそんなもんやで」

カエ「ま、もうしばらく様子を見ようや」


参考、引用文献


ローマ人の物語 塩野七海


ガリア戦記 著ユリウス・カエサル 訳國原吉之助

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