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新型コロナが日本にやって来た 

2020年2月、慌ただしい引っ越しを終えて、桜田日奈子は新居地に着いた。

日奈子は何度か引っ越しを体験しており、知らない土地に住むのは初めてではなかった為、どちらかというと不安は薄かった。

しかし唯一不安があるとすれば、マスクが手に入るかどうかだった。


最近まで住んでいた地域ではどこもマスクは品切れ。

新居地では布マスクでもいいから手に入れるべきかと考えていた。




そんなある日のこと。

日奈子は友人のカナに連れられ大人気アニメのコラボカフェを訪れた。

久しぶりの都会の雰囲気に日奈子は心が踊った。

日奈子はカナが新型コロナをどう考えているか聞くと、あまり関心が無さそうな答えが返って来た。


どうやら自分が心配しすぎているだけらしい。

日奈子はそう考え、その日の帰宅途中、キャラクターものの布マスクを見かけたが購入をやめた。


他の友人にも新型コロナの話題を振ったが、皆マスクが手に入るか不安がある様子だったが、すぐに新型コロナの話題が終わると考えているように思えた。


やはり自分が心配症すぎるだけなのだと安堵した日奈子に、友人のユリが言った。

「本当に何もなければ良いんだけど」と。




ユリの予想は当たった。

その後すぐに1回目の緊急事態宣言が出されたのだ。


そして、そこから自分も含めて、本格的に人間が変わっていった。


トイレットペーパーが売り切れたり、マスクの転売が起きたり、友人との連絡もSNSばかりになった。


特にトイレットペーパーの品薄には困ったものだった。引っ越して来たばかりの日奈子には十分なストックがなかったのだ。周囲の助けもあり、トイレットペーパーはなんとか確保できた。


友人のリカにそのことを伝えると、リカからは好きなお菓子が売り切れだったと報告があった。

日奈子が行った店も品薄だった。どうやらお菓子狩りが横行しているらしい。

普段お菓子を買わない日奈子だったが、品薄の棚を見て、お菓子があったら買いたい気持ちが膨れ上がった。





また、顔が見えないSNSの不便なところは、文字だけで相手の心情を読み取らないといけないところだと思う。


自分が良かれと思って言ったことで相手が怒り、相手が自分のために言ってくれたことで苛立った。

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