第八幕 決着part2
サイコ系妹キャラ 良いと思います
「大丈夫?お兄ちゃん。」
空を見ていたレギをテレジアが覗き込んでくる。
「身体は動かないけど大丈夫だ、けどまた負けたよ。ごめんなテレジア。」
「ううん。お兄ちゃんは気にしなくていいよ。いい戦いだったし!」
「いい戦いか...。」
確かにこの戦いはレギが押しているように見えたのは間違いないだろう。だが結果はどうだ。レギは満身創痍で身体を動かせないのに対しリオナは傷一つついていない。結果だけ見るなら文字通りリオナの圧勝で幕を閉じている。これはリオナの宣言通りの結果だ。
「末席に相応しい結末じゃな。約束通り我が部屋から去るがよい。」
リオナがカレンを引き連れてながら呟いた。
「わかってるよ。俺の負けだ。」
「ふん...。おいレギ。最後の貴様の眼は気に入った。また妾に挑むがよい。何度だって返り討ちにしてくれるわ。」
リオナが振り返りそう言い放つとレギは若干驚きつつも
「言われなくたってそのつもりだよ...。いつかお前を倒してやる。」
と強がり立ってみせたが言い終わる頃にはまた倒れていた。
「全く素直じゃないなリオナは。」
カレンが少し嬉しそうにそう言うと
「うるさい お前は黙っておれ。」
とリオナがカレンにデコピンする。
「ふーん...少しは仲良くなれたんじゃない?お兄ちゃん。」
「どこがだよ。まあそれでも今の俺の限界を知れた。俺はこの学院に来てよかったよ。」
仲良く?? よく分からないことを言い放つ妹に思わずツッコミを入れてしまう。
「完敗だなレギ。なにお前ならすぐ強くなれるだろう。俺達もうかうかしていられないな。はっはっは。」
「うちも刺激貰ったぜ。あんたと一緒に這い上がってみせるさ。」
グランとヨルハに肩を抱かれながら立ち上がる。
観覧席に残っていた生徒からはちらほら拍手が巻き起こる。
魔法を志しこの学院に来た者たちである。先程の戦いをみんな理解しているのだ。
だがそれと同時にレギは末席でありながら狙われる存在なったこともまた事実。
「お疲れ様。見事な魔法だったわ。レギ。聡いあなたなら分かってるかもしれないけど当て馬にしてごめんなさいね。」
「いえ、俺は入学出来ただけで幸せなので...
それにあなた方が俺を利用するなら俺もこの学院を利用して強くなって見せますよ。」
「それでこそあなたを取った甲斐があるわ。そんなあなたにいいお知らせよ。」
「第49期生 No.101 レギ、あなたにギルド ディアボロスからスカウトが来ています。」
みんなの時が止まる。それもそのはずついさっきギルドからの逆指名は特例だと言われたばかりなのだから当然の反応だろう。
けれどその静止した時の中でレギだけは違った。
そして迷うことなく即答する。
「入団します。俺は選べる程強くないので。俺を認めてくれるならそのギルドの為に尽くします。」
時が動き出し様々な声が辺りから聞こえてくる。
「おいおいまじかよ けどまあ当然っちゃ当然か。出力は低いとはいえ複合魔法なんて上等クラス...ではあるからな!目を付けるところがあっても不思議ではあるまい。」
とグランが冷静な分析をする。
「お兄ちゃんずるい!私もお兄ちゃんと同じとこはいる!!!」
テレジアはそんなことを言い出す始末。
「皆さん静粛に。よろしい。明日ギルドから正式にスカウトと呼び出しがあると思うから忘れないように。
あともう一つ、ディアボロスのギルドマスターはあなたを学院に入学させるように進言した一人よ。即ちあなだが最もこの学院で恩を返さなければならない人。頑張りなさい。
それとあなたの新しい部屋は既に手配済みだから治療を終えたらそこに向かいなさい。ではニーナ、後は任せます。」
「はーい。お姉さんが怪我治しちゃうよ〜。【ヒールライト】〜」
回復魔法を受けてレギの身体はみるみるうちに癒えていく。
初めて受ける治癒魔法は心地良いものだった。
「怪我は治るけど〜魔力は戻らないから今日は魔法禁止ね〜お大事に〜。」
マイペースなのだろう。ニーナ先生(?)は礼を言うまもなくそそくさとどこかへ消えてしまった。
「ふう。いやー疲れた。初日から色々ありすぎだろ。」
レギがそう呟くと皆が声を合わせて
「「「それはこっちのセリフだ。」」」
「よし、んじゃこの後お前の部屋で反省会だな。複合魔法について聴きたいことが山程あるんでな、文句は言わせんぞ。」
「いや、そもそも俺はまだ部屋すら知らないんだが...。」
グランの無茶ぶりにレギも返答する。
「そいえばお兄ちゃんの新しいルームメイトって誰なんだろうね。ちなみに私はヨルハちゃん!」
「次は落ち着いた人だと助かるな...。さて、帰るか。」
「そうだね〜。ほらみんなも解散!!!」
テレジアの号令で観覧席に残った生徒も皆寮へと戻っていく。時間はもう夕方に差し掛かる頃だった。
最初の部屋に荷物を取りに帰るとカレンがいた。どうやらリオナのルームメイトはカレンになったらしい。まあ昔からの知り合いみたいだから一番適任だろう。
ということは自然とカレンの元ルームメイトが俺の新しいルームメイトということになるからどんなやつか聞いてみたけどまだ部屋に来てなかったみたいで会ったことは無いらしい。ただ俺とルームメイトになることを二つ返事で了承してくれたとだけ教えて貰った。
カレンと別れ指定された番号を見て新しい部屋へと向かう。装飾が光っているので既に中にいるらし(デジャブ)鍵を開けて中に入る。そこに居たのは青髪の男だった。彼は読んでいた本を置き
「ようこそレギ君。よろしく頼むよ。僕はシン。No.4
シン・アルバ・エルフィウスだ。」
「No.101 レギだ。よろしく。ところでシン、君は何故俺とルームメイトになることを承諾してくれたんだ?」
「簡単だよ 君の剣技と身体の構造に興味があるからさ。
君は人としてありえない挙動をしているんだ。あの【バースト】は普通の人間には扱えない。そもそも魔法を組み上げることすら不可能なんだ。本来身体が拒絶反応を起こしてしまうから魔法が成立しない。けれど君は問題なくあの魔法を使用している。その秘密を探りたいと思ってね。
それに僕は一応No.4だ。君に損をさせるつもりは無いよ。」
「なるほどな。win-winの関係ってやつか。退屈しなくてすみそうだ。」
すらすらと出てくる言葉に俺は話しやすさを覚えていた。
こいつとなら仲良く出来るだろうとすら既に感じる。
「疲れてるだろ?聴きたいことはいっぱいあるけど起きてからでいいよ。」
「この学院で初めて常識ある人と出会えた気がするな。すまない少し眠る。」
レギが完全に寝息を立て始めた頃にシンは虚空に話しかけた。
「ほんとはここで僕らが先に君をスカウトする気だったのにさすがアル様手が早いですね、姉上。これは1本取られましたね。」
「まあ先に目をかけていたのはやつだ。ここはやつに譲るとしよう。こいつが既に決めてしまったのだ。我々はもうどうすることもできん。
だがこいつの魔法は面白い。お前も学べるところがあるだろう。互いで競い高め合え。それが成長に繋がるはずだ。ではさらばだ。また後日正式な指名を送る。」
その言葉と共にそこにある虚空が剥がれ落ち美しい青の長髪の美女が現れた。
そこにいたのはシンの実姉にして
超越者 ギルド サルドメリク マスター
ラグナ・メラ・エルフィウス
一瞬だけ姿を見せ、また姿を消す。
水魔法を極めた姉に取ってその程度容易いことだろうとシンは思う。そして再び本を読み始めた。
シン・アルバ・エルフィウス
所属ギルド "サルドメリク"
例外は既に...
レギの学院生活はまだ始まったばかり。
筆が乗りましたpart2