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後に伝説となる英雄たち  作者: 航柊
第1章 出会い編
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第六幕 鋼鉄の氷姫

レッツバトル

白状しよう。

俺は確かに彼女を初めて目にした時間違いなく一目惚れしていた。その姿、立ち振る舞いに圧倒されていた。


だが訂正させて欲しい。初めて話をした時その幻想は打ち砕かれたからだ。神様は残酷だなって思った。高飛車、傲慢、自分が人の上に立っていると信じて疑わない者。それが今の彼女の印象だ。


そんな彼女がルームメイト?何の冗談かと思ったが今目の前にいるのは紛れもなく...


「なんじゃ貴様、部屋を間違えておるぞ。さっさと消えるがよい。」


間違いない。口の悪いお姫様だ。


「間違えるわけないだろ...。鍵合ってなきゃ開かないしな...」


........


「はあ?貴様と同部屋じゃと?有り得ぬわ。」


リオナはテンプレのような否定を返してきた。


「それはこっちの台詞だ。いくら強かろうが俺はお前みたいなやつを認めない。」


こちらも負けじと返してみた。


「なんじゃと貴様、妾を侮辱するか。末席如きが!」


どうやらこの姫様は沸点もそこそこ低いらしい。


「末席だろうが入学してしまえば関係ない。俺はこの学院でお前より強くなってみせるからな。」


「はっ 貴様には一度力の差というものを見せつけねばならぬようだな。逃げるわけあるまいな?その腰の剣、よもや飾りではあるまい。」


その言葉にレギの胸は少しばかりの高揚を覚えた。魔法力ならともかく戦闘であるならばNo.1にも多少対抗することが出来るはずだと。


「逃げるなんてとんでもない。No.1と戦う、俺には願ってもない機会だ。」


「ふん 妾が何故鋼鉄の氷姫と呼ばれているのかその身をもって知るがよい。さっさとついてこい。学院長の元へいくぞ。」



「もういるわ。全く他の生徒から報告があって来てみれば...まあいいわ。貴方たちの場合戦った方が説明するより分かると思うから。ついてきなさい。」


--演舞場


「ここは魔導演舞場、貴方たちみたいな私闘や実技試験などで使われる場所よ。ここで思う存分戦いなさい。ただし勝敗の判断はこちらでするわ。そして勝者は敗者に一つだけ命令出来る。それが条件よ。」


「よかろう。」「分かりました。」


ふと観覧席を見ると噂を聞きつけたらしい生徒の姿がちらほら見えた。


「おいおいほんとに首席と末席が戦おうとしてやがる。無謀にも程があるだろ。」


「あなた試験を見てないの?末席の彼、単純な魔法力はともかく魔法戦闘なら中々のものよ。」


「お前こそあの鋼鉄の氷姫の試験見てないだろ。戦慄したぜ、あんなやつが同級生なんてよ。」


噂を聞きつけた野次馬達が勝手に集まって観戦の体勢をとっていた。

その中には当然、既に顔馴染みになった者たちも。


「おいおいテレジアだっけか?お前の兄貴早速姫サマに噛み付いてるじゃねえかどうなってんだ。」


「うーんお兄ちゃんも結構無謀なとこあるからね。けどねヨルハちゃん、あなたも魔法剣士志望でしょ?ならお兄ちゃんの戦い、見といて損はしないと思うよ。」


「リオナが迷惑を掛けるな、テレジア。」


「カレンちゃん やっほ〜!お兄ちゃん的には戦えて喜んでるだろうから大丈夫だよ〜。」


「そうか 感謝する。だがリオナの友としては少し嬉しくあるのだ。あいつがあんなの感情を剥き出しにするのも珍しい。曲がりなりにもレギ殿に興味を感じているのだろう。あいつが他人に興味を持つのは殆ど無いからな。それに彼に興味を持っているのは私も同じだ。この戦い、見ものだな。」


「リオナ様!そんなやつ叩き潰してください!」


「鋼鉄の氷姫の力 見せつけてやってください。」


「リオナちゃんの応援ばっかだね。よーし 頑張れ〜!お兄ちゃーん。」


リオナに対する声援に負けじと声を張り上げる妹に少し恥ずかしさを覚える。


「人の気も知らないで、あいつは...。けど妹の期待に少しは応えないとな。」


「祈りは済んだか?末席。」


「あいにく祈る神は持ち合わせていないさ。」


互いに距離を取る。


「では学園規則その3に基づきNo.1 リオナ・ノア・エルフィニアとNo.101 レギによる決闘を行う。立会人は私学園長ティアと回復術士 ニーナ・ランカとする。」


「双方構え 開始っ!」


心を研ぎ澄ませ 情景に思いを馳せろ 己の剣を信じろ


「来ぬならこちらからゆくぞ!小手調べじゃ。【フリーズ】」

リオナは氷の塊を瞬時に生み出しレギ目掛けて射出した。


魔法には基本六属性が存在する。リオナの得意とする属性は水と風、そして火。そしてそれら三属性を複合して生み出されるのが氷の魔法。本来であれば上等魔導士クラスが使用する複合魔法を15歳の少女が使用する。紛れもなくリオナ・ノア・エルフィニアは天才である。


一方のレギ、得意とする属性は風と闇。闇魔法は主に空間に作用する魔法。適性者は少なく、魔法の使用難度も高くあまり極める者の少ない属性と言われる。

そして現在のレギもまた、行き着いた答えは複合魔法。魔法力が少ないからこそ辿り着いたリオナの複合魔法とは似て非なるもの。


「【風域】解放 瞬天舜回(イベイション)


氷の塊を目前にレギの姿が影を残して掻き消える。

そしてまるで影のごとくリオナの背後に現れる。そして気配を殺したままリオナ目掛けて剣を振り下ろした。リオナは気づけていない。それ程までに早業であったから。レギとテレジアは決まったと思った。


レギとテレジアだけは。


キィンと甲高い音を立ててレギの剣が弾かれる。

リオナは当然とばかりに振り返り


「なんじゃ?それで終いか?」


と言い放ちレギに氷を纏った剣を叩きつけた。

なんとかその剣を弾くが纏われた氷の欠片がレギの顔に一筋の傷を描く。その血を拭いながらレギは呟きを零した。


「なるほどな。これが鋼鉄の氷姫と呼ばれる所以か。」


リオナの周りに薄く それでも強固な氷の盾が出現する。リオナは背後に立つレギに気づかなかったのではなく気づく必要が無かったのだ。

詠唱を破棄して己の意思のみで魔法を行使するのは難易度が高い。少なくとも魔導学院に入学したばかりの新入生が本来使えるものでは到底ない。だがそれでもリオナは無詠唱で自らの周りに氷の盾を張り巡らせている。その事にレギは表情には出さず驚いていた。


それはリオナもまた同様であった。目の前の男は間違いなく瞬間移動をした。まだ一目見ただけだが理解することは叶わなかった。だがそれでも自分の防御が破られることはなかった、その事実故にリオナには余裕があった。


「貴様もなかなかやるではないか。妾の背後を取ろうとは。じゃが何故その剣を抜かぬのだ 抜き身の剣であれば妾の盾も貫けるかも知れぬぞ?」


リオナは破られない自信をもってレギを煽る。


「あいにくこの剣は抜けない事情があってな。ただこのままでもお前の盾を破ってみせるさ。」


「ぬかせ!貴様はこのまま魔力尽きるまで踊るがよいわ!【アイシクル】」


リオナの頭上に数多の氷の礫が現れる。風魔法によって複数に分けて撃ち出された礫がレギを襲う。

だがレギもそれをイベイションで全て回避してみせた。だが魔法を外したにも関わらずリオナはそれを見て笑った。


「なるほどな。貴様の魔法の正体が少し見えてきたぞ。確かによく考えられておる。じゃが妾や貴様の妹のような強者には時間が経てば通用しなくなる。違うか?」


その言葉を聞いてレギは歯噛みする。


「つくづく嫌になるな。天才って奴は 何もかも見透かしてきやがる。」


レギの魔法【風域】瞬天舜回(イベイション)は単純な突風を起こす初等風魔法【ガスト】を半径10mの領域内に存在する魔力を操作する闇魔法【レギオン】を用いて設置し、自らそこに立ち任意のタイミング、方向を指定し発動することであたかも瞬間移動したように見せかける複合魔法。


魔力消費が少ないのが利点であるが物理演算が非常に困難でありこの魔法を使える者は理論上多くいるが実戦的にまで磨きあげるにはそれ相応の時間がかかる。レギはこの魔法を習得してから実用に至るまで三年の年月をかけている。だが魔力消費が少ないといっても回避や移動に用いる度魔力を消費するためリオナやテレジアのように魔法力に長けた者に持久戦をやられると非常に相性は悪い。


--観覧席


「なんだよあんな魔法見た事ないぞ。」


「だから言っただろ 俺達も負けてられないんだよ。」


「ただそれを圧倒してるリオナ様は流石ね。やはり私の目指す先はリオナ様だわ。」


野次馬は野次馬でも皆魔法を志し魔導学院に入学した者達。

繰り広げられる魔法戦闘を観察し感想を述べる。


「あれが試験でも見せたレギ殿のイベイション。やはり洗練された素晴らしい魔法だ。初めて目にする者は目を丸くしているだろうな。」


「みんなお兄ちゃんの凄さに少しは気がついたかな?それにしてもリオナちゃんめちゃくちゃ強いね〜。」


「なるほどな。ここまで上のヤツらの狙いってことかよ。」


「ん?どういうこと?ヨルハちゃん。」


「お前らも気づいてるだろ?入学式からさっきまで末席のレギを馬鹿にしてたやつらが殆どだったけどよ、今はどうだ?自分たちより魔法力の低いはずの末席が自分たちの理解出来ないレベルの複合魔法を使ってるんだ。あいつらのプライドを刺激しないわけないんだよ。負けてられるかってな。」


「はっはっは なるほどな これ程分かりやすいものは無い。全体のレベルを上げるには下位の者を強くすればいい。しかもそれが末席となればその効果のほどはいかほどか想像にかたくないな。」


「ふむ。レギ殿は確かに魔法力が低い。だがそれを補ってあまりあるセンスと努力の才を持ち合わせている。加えてこの学年に刺激を加えるべく101番目という特異な位置を与えられたのか。」


グランとカレンがそれぞれの解釈を述べる。


「けどまあ...それだけじゃないだろ。あいつは独学であれをやってのけてるそんなやつがこの学院に入ればどうなるか。間違いなく強くなる。もちろんあいつ次第だがな。上のヤツらはレギを見た時からここまで、いやこの先も考えてたはずだぜ。ウチは改めてこの学院にこれたことに感謝してるぜ。」


周りが盛り上がってる中少し離れてテレジアは独り呟く。


「ほら、さっきと違ってみんなが期待してるよ。 もっと頑張らないとね お兄ちゃん。」


いつもの明るい表情とは一転どこか妖しげな表情で放ったその呟きは誰にも聞かれることは無かった。


レギはこの窮地にあって思考を止めなかった。レギは無意識のうちに今後もこういう壁に何度もぶつかる事を自覚していた。そしてレギは "笑った"


「試す価値はあるな。」

(※レギオンは習得自体は闇の初等魔法に分類されますが使用者の技量、魔法力に応じて超越魔法の域にまで到達するため闇魔法と書きました。)

バトル編楽しいですね。頑張ってオリジナリティ出そうとしても大体似たような展開どっかでみたな?ってなるんでもうそこは諦めてます。


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