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後に伝説となる英雄たち  作者: 航柊
第1章 出会い編
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第十七幕 頂点たる魔導士たちpart3

気合いで週一更新したいです(希望的観測)



シェイドの魔法から出るとちょうど次のギルドの紹介が始まるところのようだった。シェイドの魔法の中では随分話を聞いていたように感じていたのだがと疑問に思っていると


「長くなる気がして我が中の時間をちょちょいと弄ってな!外では殆ど時間が経っておらんのだ!」


してやったりの顔でメルヴィが説明する。


非常に可愛らしいドヤ顔だが行使した魔法はとても凄まじいものだった。時間操作の魔法は空間魔法の極致だったはずだ。もし学園外で使えばとたんに魔導警団が飛んでくるのは想像にかたくない。まあメルヴィの魔法が見破ることが出来ればの話ではあるが...


そんなこんなで話してるうちに空が曇る。

そして雷鳴と共に2人の男女が壇上に現れた。


「皆様お待たせいたしました。新入生の皆様は初めまして。私はギルド ケラウノスの副マスター ヴァイオレット。ヴァイオレット・グランツです。以後お見知り置きを。あら...団長の姿が見えませんね.....。」


ヴァイオレットと名乗る女性は紫の髪を靡かせて丁寧な口調で説明する。


「"紫電"のヴァイオレット...」


「あれが学院"最速"の魔導士だ。顔を覚えておけ。」


在校生とアシュレイがそれぞれ反応を示す。


「そして隣の男が...」


シェイドの呟きは観覧席からのの歓声にかき消された。


「"千雷"ゼクス様...なんとお美しい...。」


「ゼクス様〜!こっちを向いてください!!!」


「ゼクス...あいつには負けたくないけどあいつ全てにおいて強いんだよな...」


ゼクスと呼ばれた黄色に黒メッシュの入った髪の男が観覧席からの歓声に手を振り返す。


「あれが週刊ソルシエールのモデルも務めるゼクス様...そんな方と同じ学院に通えるなんて私幸せ...!」


同級生からそんな声も聴こえてくる。


そしてシェイドが


「あれが第4位 ゼクス・ラギア。俺のライバルだ。」


と強い意思が篭った言葉をこぼす。


______________



だが突然ゼクスの背後に回ったヴァイオレットの姿が掻き消える。そして紫電の輝きを纏った拳でゼクスの頭をぶん殴った。


ドゴォンととんでもない音と共にゼクスが壇上に叩きつけられる。


演舞場全体がまるで時間が止まったように静まり返る。


そしてヴァイオレットが口を開く


「あんったねえ!あんだけマスターちゃんと連れて来いって行ったでしょ!!!ぶっ殺すわよ!?」


再びフリーズ。


アシュレイやメルヴィはやれやれといった様子のため恐らくあれがヴァイオレットの隠れた一面であるのを知っていたようだ。


皆の時が止まってる中殴られたゼクスが


「おいおい。素が出てんぞ...。仕方ねえだろ団長魔法で逃げんだからよ。俺じゃ追いつけねえし...。お前が連れてくるしかねえってやっぱり。」


と仰向けになりながらそう言うと


ヴァイオレットが分かりやすくはっとして観覧席を見渡し


「.......。 大変お見苦しいものをお見せいたしました。」


そう言葉を残しながら紫電を纏いそのまま姿を消した。


______________


ゼクスはいててと頭を抑えながら立ち上がり


「ヴァイオレットが今マスター迎えいってるんでしばし待っててくれ。それまで俺が場を繋いでみせよう。」


そう言いながらゼクスがパチンと指を鳴らす


すると虚空からパチパチと銀の雷光が出現しゼクスの周りを巡る。

いつしかそれが形を成し現れたのは傾国の姫を思わせる姿をした九本の尾を持つ妖狐の精霊だった。


その妖狐は


「あらゼクス...。こんな人目の多いところに呼び出すなんて妾恥ずかしい...。」


そう言い尾の1つで顔を少し隠す。


「そう言うなよ星雷(せいら)。お前はどこに出しても可愛い自慢の相棒だ、もっと自信持てよ。

さて、響かすぜ?星雷。」


そう言いゼクスは魔法を放つ。


"鳴り響け" 【雷鼓】


ゼクスの短い詠唱が終わると途端に演舞場のあちらこちらに雷で作られた鼓が出現する。


そしてゼクスと星雷の声が重なる。


千雷宴(エルヘスティアーマ)


凄まじい雷鳴が轟く。

すっとゼクスが腰に提げていた剣を抜く。そしてその剣を星雷がそっと撫でる。すると剣が雷に覆われ気がつけばゼクスの手にはギターが握られていた。


「鳴り響くは天雷 轟くは無限の響乱 騒げ!貴様ら!開演だ!!!」


人の心を直接ぶっ叩くような音が演舞場に響き渡る。

レギたちはただただ圧倒される。


星雷と呼ばれた精霊が9本の尾で9本の(ばち)を持ちゼクスの一言でその前に尾の数と同じ鼓が出現し星雷が尾を広げ一斉に叩く。


大人しめの印象を受けた星雷からは想像もつかない凄まじい(ビート)が演舞場に広がる。

新入生、在校生関係なく音の稲妻が貫いていく。

演舞場は大歓声に包まれた。


レギ自らの鼓動が昂るのを確かに感じていた。

その横では


「はっ!やはりアガるな奴の雷は!」


「悔しいがすげぇ あいつの高揚魔法は俺たちの闇魔法とは違う意味で空間を支配しやがる。」


とメルヴィとシェイドがそれぞれの感想を口にする。


アシュレイだけは


「不協和音だ。」


とだけ言い残し闇へと消えてしまった。

アシュレイが騒がしいのは苦手だと言っていた事を思い出すレギだった。


その後も心を揺さぶる演奏が続く。

そして演奏を聴く中でレギは自らの身体に魔力が満ちていくのが分かる。どうやら周りの同級生も恐らく初めて味わう感覚に皆驚いているようだった。


ふとメルヴィのほうを見ると自然と目が合い


「気がついたか。それがこの魔法の真価だ。奴は自らの魔力を雷音(レオン)と呼ばれる特殊なマナに変化させ響かせる。そして奴が許可する者に雷音が届くとその者のマナと融合し魔力を回復させるのだ。

他にも音に電気信号を乗せ細胞を活性化させたりも出来る。勿論逆に攻撃に転ずることも自由自在だ。」


「正に千変万化の雷、故に"千雷"のゼクス。」


メルヴィが【雷鼓】の説明をしシェイドが二つ名の由来を言う。


そして演舞場の盛り上がりも最高に達するかどうかの時紫電が轟く。


そしてゼクスが


「本命が来たな。刮目せよ、俺たち ギルドケラウノスのマスター ラキウス様の登場だ!」


特大の(ビート)を鳴らしながらゼクスがそう宣言する。

そして壇上に落ちた紫電の中から淡い金髪の超絶美男子が現れた。


「きゃぁぁぁあ!ラキウス様〜〜〜〜!」


「か、顔が良すぎますわ...(ガクッ)」


「(ゴクリ)あれが男も落とすと言われる。彼氏にしたい、結婚したい魔導士ランキング1位...。」


在学生たちは大騒ぎである。

それは新入生たちも同様で


「かっこよすぎ...私 ケラウノスに入る!」


「王都に名を轟かせる"万雷"のラキウス様...」



一部の生徒は魅了(チャーム)に掛かったようにうっとりしている者もいる。


登場するだけでこれだけ場を盛り上げたのだが当のラキウス本人は...


「だから嫌なんだよ...僕は目立ちたくないのに...せっかくゼクス撒いたのに...。ヴァイオレット、何で君はいつも僕を見つけられるんだよ...。」


と言いながらゼクスとヴァイオレットの裏に隠れてしまう。


どうやらとんでもない容姿とは裏腹に性格は大人しめらしい。



「そりゃラキウス様、ヴァイオレットはあんたのこと..痛え!!」


「口を閉じなさい?ゼクス。さ、ラキウス様、ケラウノスの説明を行ってください。こればっかりはマスターのお仕事なので。」


「おっかねえ女...。」


「そうだよね...仕事だもんね...。ふぅ よし。

皆さん今日はお集まり頂きありがとうございます。」


演説を始めたラキウスは驚くほど綺麗な声だった。

先程のシーラも素晴らしい声をしていたがラキウスの声はまた異質に感じる程綺麗な声だった。


「新入生の皆は実際に会うのは初めましてだね。

僕はラキウス。ラキウス・ネル・ランドルフ。一応ギルド ケラウノスのマスターを拝命してます。


僕はまだ他のギルドのマスターと比べて経験も浅くリーダーとしても魔導士としても未熟者であることを自覚してます。なのでケラウノスが求める人材は僕の補助をする者、そしてここにいるゼクス、ヴァイオレットのように単独でどんな役割をもこなしながらリーダーシップを発揮出来る者を僕達ケラウノスは欲しています。


...それに今年は長く僕を支えてくれたヴァイオレットが卒業する年。僕がマスターになってから最弱と言われ続けたけれどゼクスが入ってくれて道は見えた。今年こそ魔導大祭を取りに行きたい。どうか僕に力を貸してください。」


ヴァイオレット達の事を語るラキウスはどこか自信に満ち溢れていた。

最後にラキウスが頭を下げた時大歓声が巻き起こる。特に恐らく今までの魔導大祭を観てきた上級生たちの中からの声援が多いように感じる。


壇上では


「つーことなわけだぜ、紫電の姫さんよ。今年はあんたの為に俺の魔法を響かせてやる。取るぞ、魔導大祭。」


「ラキウス様...ゼクス...。あんた、私の速度に合わせられるわけ?付いて来なきゃぶっ殺すわよ。」


「素が出てんぞ...。俺を誰だと思ってやがる。

"千雷"のゼクスだぜ?どんな強さ、速さ、変化にも合わせてみせるさ。なあ星雷。」


「ええ。星雷はヴァイオレット様の為ならば人前も怖くありませぬ。ふふ。」


鳴り止まぬ喝采を浴びながらケラウノスの面々は紫電の輝きを纏い壇上から消える。


「今までは補助に回っていたヴァイオレットが前線に出てくるなら手強い存在になるだろうな。ま、我も負ける気は毛頭ないがな!」


メルヴィが控えめな胸を張り誇らしげに語る。


ギルドの紹介も残り二つ。自分が所属しているディアボロスを除けば残り一つ。いずれも魔導大祭でレキが戦うかもしれない相手。レギはそっと心を引き締めた。








次回sideテレジア書こうかなって思います。

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