33/43
埋めたやつはめっちゃ土ついてても犬は食う
姫は叫ぶ
『だれか、あな、たすけよ!
あな、くちおしや!』
だれも助けない
姫が叫ぶ
『助けてたも!』
だれも、答えない
コロマルだけが答える
『ふふふ
だぁれも答えないねぇ
すでに僕たちは全員魔獣に足を踏み入れた
動物の限界は君たちには
こえらねないねぇ
覚悟をきめたらどうだい?』
そういってコロマルは姫様にがばりと
飛びかかった
そしてコロマルは
犬のあの独特な鼻を姫の身体中に押し当てた
ここか?
いや、ここか?
すんすんすん、すん
あな、くすぐったい
あーれー
おかしな声がこだました