救急車が来ると犬は吠える
熊が消えた!?
真っ先に反応したのはダルクメシアンだった
『皆のもの!くるぞ!?む?そこか!!!』
熊は僕たちの隊の最後尾の方まで一気に
回り込んでいた。
は、早すぎる!!
こりゃーダルクメシアン以外勝負に
ならないんじゃないか??
『きゃいーん!痛いー』
『ぎゃわーん!』
熊に最後尾からばっさばっさと
薙ぎ払われ、阿鼻叫喚となっている。
『ええーい!ひるむな!迎えうて!』
ダルクメシアン、ダルでいいや
野球うまそうだな!
ダルは無茶ぶりをする
ゴン太が口を開いた。
『ダル殿、私がいきましょう』
ゴン太のやつ、あれに勝てるのか?
つーかお前もダル使い始めたのかよ!!
『ざっしゅうー!!おまえらぁぁ、囮になって
俺様の道をひらけぇぇ!!』
ゴン太は不意に僕、タロ、ジロに声を
かけてきた。
『行かなきゃ飯は抜きだ!!いいな!!』
嫌すぎる。でも、いかなきゃ
ご飯がない。
『しゃあねぇ、行くか?ジロ?』
『わかったよ、にいちゃん!』
『『狛犬化!!』』
くそ、僕も行くか!
『僕も行くぞ、タロ!ジロ!』
『『コロマル!町では血統書の目があって
しゃべれなかったが、頼むぞ!!
しゃべると餌をを抜かれてたんだ!
やつら、そうやって雑種同士が
群れるのを頑なに妨害してたんだよ!』』
そうだったのか!
なら僕らの間に、確執は無い!
『タロ、ジロ、僕は攻撃力がない、
囮になるから、決めてくれ!!』』
『わかった!死ぬなよ!』
『死ぬなよ!コロマルー!』
2匹が声をかけてくれた、それだけで
強くなれた気がした。
そんな夜だった。
嘘だ!!
『いくぞ!コロマルまんまる!』
あのときからお気に入りの
僕の技で撹乱してやる。
『ほぉ。お主ら、混じりものか。
軟弱な純血ばかりで退屈していた。
ほれ、かかってこい。』
え?喋れるの?
ま、まあいい。
コロマルまんまる体当たり!
思いっきりすねに体当たりだ!
ぽーん てん てん てん
弾んだだけだった。
『…なぜ、混じり物なのに力がない?
どうしてじゃ?ははぁ、おぬしら
獣の匂いがせん。さては、抜かれとるな?』
タロとジロがその間にかけよる
『ごちゃごちゃ言ってんじゃねぇ!
拒魔!!噛み!!』
なんか、こいつら技名がかっこつけだな
僕の方が可愛さが上だ
パキ
!!?2匹の牙が通ってない。
2匹は牙術がそこそこ使えるはずだが
『ほうら、弱い。肉や魚を食っとらんからだ。』
!?僕は思わず質問した。
『どういうことだ!?教えろ!!』
『ふぅむ。まぁいい、それはな…』
『ざっしゅぅ!しゃべってないで
倒せ!』
『そうだ!早くしろ!』
『ワンワンワンワン!』
『きゃん!お腹へったー』
なんだ?救急車が来た時みたいに
血統書がうるさくなったぞ?