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羽衣の柴
『どこへいきやがった!』
あいつはおそらく音で場所を把握している。
コロマルまんまるなら音を出さずに近づいて攻撃
できるはず!
ついでに土煙で視界を奪ってやる!
それ!こっそりコロマルまんまる乱舞だ!
僕はこっそり音を出さずに転がりながら
土煙をまきあげて、体当たりしまくった。
なぜだ?体格差があるとはいえ、
全然食らわない。
犬現もあるとはいえ、
タロ達の攻撃も血統書には
通らなかったな?僕たちの知らない
何かがあるんじゃないのか?
『ぐぁー!毛皮強化でくらわないが
うっとぉしい!この雑種がぁ!』
しまった!ゴン太が適当に暴れまわり
初めた!
このままじゃ、踏み付けに当たる!
まんまる状態じゃすぐ止まれない。
万事休すか!
そのとき綺麗な声がした
『きゃん!やめなさい!』
見ると綺麗な長毛の白い柴犬がそこにいた。