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幼馴染と行くあべこべ世界  作者: ミルフィーユ
第四章:組織との戦い
98/124

#98:ボスに攫われる渉

そろそろクライマックスですね。


 状況は春香が押しているのか?


「くっ」

「……そのような太刀筋で拙者に勝てると思わないでほしいでござる」


 激しい1vs1の末に、女性の方が先に膝をついた。


「もう終わりでござる」


 春香がとどめを刺そうとしたその瞬間、突然俺の隣にいきなり別の人物が現れた。


「外が騒ぎになっているから気になってきて見れば……おやおや?随分と凄いことになっていますね」

「なっ!?どうしてここに?」

「ボスは外の様子を見に行くんじゃなかったんですかー?」


 監視役の二人がそう言うとリーダーの女性はニヤリと笑う。


「まぁこの場所がたとえ壊滅しようとも立て直す方法はいくらでもあるからね。それよりもこの少年を手に入れるほうが有益だと判断したからよ。……最もあの程度の軍隊で壊滅にまで追い込まれるかと聞かれたらそれは無理でしょうけどね」


そう言うと、理科と呼ばれる女性から、俺のことをふんだくるようにして言った。


「なっ!?何をするんですかボス?」

「貴方が気にすることではないんじゃない?」

「それよりボス、妹が生きてるんですけど……どういうことですか?」

「ああ、まさか本当に死んでるとでも思ったの?妹がいるというデータがあったから利用したまでよ?本当に殺していないだけ、ありがたく思いなさい」


 リーダーと呼ばれる女性は狂ってやがる。理科と呼ばれる女性は悔しそうな表情を浮かべた。


「少し早いけど、この子の儀式も済ませておきたいですし……あぁ楽しみですわ」

「やはり貴方は……渉様のことを?」


 柚香が静かにけれど確かに怒っている、そんな様子が伝わる声で言った。よく見ると彼女はこぶしを握り、悔しそうな表情を見せていた。恐らく自分で助けることができないのを悔いているとかそんなところだろう。


「さてと。それじゃあ、行きますよ。私たちの愛の巣に」

「何を言って!?」

「渉!?」


 桜と楓が慌てたような表情を浮かべると、俺とリーダーの体がその場から消え去った。




「なっ、渉君が!?……くっ、私としたことが」

「拙者ももう少しやつにダメージを与えられていれば」


 渉様の護衛として、王家の武士としてそれぞれプライドがある五月さんと春香にとって目の前で再び渉様が攫われたというのは屈辱なことなのでしょう。


「それにしても転移で逃げられたら何処に行ったのか分からないなのです」

「そうね。そもそも滅茶苦茶遠い位置に逃げられていたら、助けられる時間はほぼないようなものね」


 日向さんの慌てた様子に、静香さんも困ったようにそう言う。


「くそっ。渉を何処にやった!?」

「落ち着きな光沙。そんなことをしていても何の解決にもならない。……GPSで一は探れないのかい?」


 愛結さんは私にそう聞いてきました。私も慌てて確認しましたが、どうやら壊れてしまっているようです。おそらく転移直前に壊されてしまったのでしょう。床を見るとは変なようなものが砕かれて散らばっていました。私は愛結さんの方を再び見て首を横に振りました。


「せめて何処にいるかわかればいいんだけどー」

「そうですね。由衣さんの言うとおり何ですけど」

「わ、渉は……」

「落ち着いて楓。大丈夫、絶対に私たちが助けるからー」


 楓さんを励ましてる由衣さんの手もよく見ると震えています。この状況をどうやったら打破できる!?


「お姉ちゃん助けてほしいのです」


 そんな時、日向さんが敵の女性にそう叫びました。


「?恵理……何を言って?」

「お願いお姉ちゃん。渉君を助けたいの」

「いや……でも私は。貴方たちに敵対している時点で犯罪者のようなものだから」

「完全に許されることはないでしょう。けれど、協力していただければ……そうですね、極力罪を軽減させると約束しましょう。勿論貴方もです」


 私はそう言ってもう一人の女性にも声をかけました。

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