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幼馴染と行くあべこべ世界  作者: ミルフィーユ
第四章:組織との戦い
95/124

#95:侵入

「敵の本拠地はこの街の一番大きくて豪華なところみたいですね。渉様もどうやらそこに捕らわれているようです」


 私は皆さんに状況を説明しました。軍隊の突撃作戦まで後十分弱。私たちのターゲットの建物はそこからはかなり離れていますが、裏門から入ればそこそこ近い距離にあります。




 私たちは建物のすぐそばまで移動しました。


「柚香ちゃん、流石にあの門番はスパイじゃないんだよね?」

「はい。桜さんの言う通り、あれはちゃんとした門番です。流石にあそこまで買収しようとすれば逆にこちらの気配を感じ取られてしまう危険性もありましたので」

「それで……どうやって侵入するのかしら?」


 真里菜さんが私に質問をしてくる。突入作戦と同時に、かつ目立たない方法で倒して中に侵入しなければいけません。銃などを使えば、真っ先に気づかれることでしょう。


「外で物音があれば建物の中にいる警備兵は出てきてしまうでしょう。その前に、静香に門番を倒して、中に侵入します。後は、手筈通りに頼みますよ、春香」

「任せてほしいでござる」


 春香は刀を構えて今かとその時を待ち続けていました。


「後一分ほどで先行して侵入します」

「いよいよか。渉、お願い無事でいて。無事なら私……何でもしてあげるから。だからお願い」

「あまり、悲観しないでください。楓さん。こんなことで一々泣いてたら、幼馴染兼正妻の座は奪っちゃいますよ」

「なっ!?うふふ、やれるものならやってみなさい?」


 五月さんが楓さんを少し挑発するようにそう言うと、楓さんの表情は再び明るいものへと戻りました。


「もうそろそろ。皆集中―」

「何か貴方が言うと気が抜けるんだけど……」

「確かにそれは分かるなのです!」

「あ、あはは……気持ちは分からなくもないけど、集中しよう。今はとても大事な時間だから」


 集中という由衣さんに対して、逆に気が抜けると言った月夜さんと日向さんに、同意しながらも集中するように促す愛結さん。生徒会長を務めているということもあり、統率力はとても優れたものです。時間は……そろそろですね。


「春香」

「……御意」


 私が春香を呼ぶと、彼女は一瞬で私の目の前から消え、気づいたときには門番の二人組に声を上げさせることなく気絶させていた。


「うっわ。私も喧嘩強い自信があるけど、あれは無理だな」

「訓練すればあそこまでとはいかないけど、近い実力なら付けられるんじゃないか?」

「愛結さんの言う通り、光沙さんならきっと出来ると思いますよ。さてと、急いであそこまで移動しましょう」


 私たちは建物の入り口まで移動しました。門番は、軍隊が出るときに、この門から出た人に気づかれないために縄で縛り、同じ格好をしたスパイの人にいてもらうことにします。こうすることにより、外での騒ぎに気付きいた中の人物が入口から増援に向かう可能性が高くなります。




 そして、私たちはついに建物の内部へと侵入しました。テロリストが作ったものとは思えないほど、豪華な作りになっているだろうという予想が、通路尾を通っているだけで何となく感じられます。恐らく敵も武器などを所持している可能性は十分にありますね。一応麻酔銃的なものは全員に持たせてあるので、身を各自ある程度なら守れるとは思い餡巣が、皆さん使い方にはまだ不慣れな様子です。



「……時間がなかったから仕方はありませんが」


 ならば、私が皆さんのことを守って見せます。誰一人として欠けることなく助けに行くこと。渉様はきっとそれを望んでいるでしょう。


「信号の位置的にはこの先ですね。急ぎましょう」

「この先に渉が捕らわれているってことは……ボスもいるよね」


 楓さんが身構えるようにしてそう言いました。ボスがその場にいなければ、渉さん救出という点においては楽です。ボスを倒すのは軍隊にお任せするのが理想です。


「あれ、この扉鍵がかかってるっぽいね」

「問答無用でござる。下がっててほしいでござる」


 桜さんが扉に触れようとした所を、春香が止めました。そして、私たちに下がらせるように言うと、刀に力を込めました。


 そして、その鍵のかかった扉を真っ二つに砕きました。

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