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幼馴染と行くあべこべ世界  作者: ミルフィーユ
第四章:組織との戦い
93/124

#93:結束

ついにヒロインたちが渉救出に向けて動き出します!

 部屋の中をある程度歩いて、キョロキョロと見まわしてみたんだけど特に脱出の手掛かりは見つからなかった。


「ふっふっふー残念ながら脱出ゲームのように非常口は存在しないんですよ」

「別に非常口を探しているわけではないけど」

「そうですかそうですか」


 彼女も恐らく勘づいてはいるのだろう。だからこそ、これ以上の探索は厳しいだろう。俺の荷物は彼女が持っているっぽいけど触らせてしまえるはずもない。スマホとか入ってるからだろうな。



 ――時は少し遡り、渉が攫われた三十分後。


「渉様が攫われたって本当ですか!?」


 私――柚香は影からそんな連絡を受けました。ビックリして動揺しつつも、冷静に詳細を聞きました。


「どうしたでござるか、柚香殿?」


 しかし、彼女には見破られていたのか、不安そうに私に聞いてきた。私は渉様が誘拐されたことを話しました。すると彼女はキリっとした表情になった。


「渉殿を……許せないでござる。誰がそんなことを?」

「渉様の体にはGPSを付けさせていただいていますので場所は分かっています。それよりみなさんを集めましょう。詳細はその後です」


 私はそう言うと、グループチャットを使って皆に連絡を入れました。




 渉様が攫われたと言うこともあってか、十分も経たずして皆が集合してくださいました。


「戻ってこないから違和感があったけどまさかそんなことになってるなんて。ごめんなさい、みんな」

「私も学園内だったから油断してた。ごめんなさい」


 楓さんと桜さんはしょんぼりとした様子で言いました。


「気にしないでください。私の警戒も甘かったので」


 私はそんな彼女たちに気にしないでと言葉を返す。今は落ち込んでいる暇もないですし。学園内にも影を装った生徒が紛れ込んでいるんですけど、スケジュールがかみ合わず近くで護衛することが出来なくなってしまったいたそうです。


「渉を勿論助けに行くんだよね!?」

「光沙落ち着いて。まったく、そんなに慌てたってどうしようもないよ」

「渉君は絶対に取り戻します」

「うん。渉をさらったやつは許さないー」

「そうね、私は彼に助けられたんだもの。今回助けるのは私たちね」


 良かった。皆さん協力してくださるみたいです。私は渉様がとらわれている場所とそこを占拠している集団について話し始めた。


「男を世界からなくそうとしている集団?」

「しかもかなりの組織を持っているんですか?」


 楓さんと桜さんは驚いた様な表情を浮かべていた。他の皆さんは驚きはあるものの、何処か納得したような表情を浮かべています。


「それってでもやばいんじゃないなのです?」

「落ち着きなさい、恵理。恐らくだけど、そんなすぐに殺されたりすることはないはずです、多分。そうでしょう?」


 月夜さんはそう言うと私の方を見てきた。私はその言葉に対して頷いた。


「スパイを送ったりして確かめているのですが、どうやら即処刑されたりすることはあまりないそうです。顔立ちがよほど悪い人は処刑されるのは事実だそうですが、普通以上の方は子孫繁栄のために死ぬまで奴隷のように扱われるそうですね」

「とりあえず、渉殿は無事ってことでござるか?」

「そうとも言えませんよ、春香。精神的に苦しめられる可能性もあります。助けるなら早めの方がいいと思います」

「五月殿……勿論でござる。友達が攫われているのに、のんびりしてなんかいられないでござる」


 春香さんはそう言うと拳をぎゅっと握りしめた。


「場所が動かなくなりましたね。どうやら間違いなさそうです。もう少ししたら、この組織は潰そうとは思っていたのですが、少し早めます。侵入経路等も用意してありますし、中にいるスパイの助けもあることでしょう」

「それなら、渉を助けられるの?」


 楓さんが不安そうに私のことを見てきた。楓さんは特に渉様がいなくなって辛いんでしょう。自身に負い目を感じているのはもちろん、何もわからないこの世界に来てからずっと一緒にいたのですから。


「勿論です。絶対に助け出しましょう」

「うん!」


 私がそう言うと、彼女は嬉しそうに返事をしてくれた。待っててください、渉様!絶対に助けて見せます。



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