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幼馴染と行くあべこべ世界  作者: ミルフィーユ
第三章:幸せな日々
85/124

#85:今後について

今回は、前回の事件後何でイチャイチャは少なめです。

(いつもそんなに多くなかったような……?)

「だ、大丈夫でしたか渉様」


 ヘリコプターに乗り込むと、既に迎えに来てくれた柚香がそう言った。心配そうな表情で俺を見つめると彼女は俺のことを抱きしめてくれた。


「渉様どうしましましょうか?」

「どうしましょうかって?」

「渉様を追いかけた女性たちのことです。一人一人処罰しておきましょうか」

「いや、辞めてね!?物騒だから」

「むぅ、分かりました」


 処罰とか物騒な単語が聞こえたような気がしたんだけど気のせいだろうか。俺自身別にトラウマになるレベルの恐怖を追ったわけでもないので、別に追ってきた女性に何か処罰してほしいとかは特に思っていない。


 そもそもこの世界がこういう世界だからな。最近ニュースでよく男性が攫われるといった事案が発生しているようだが、俺も気を付けなければならないのかもしれないな。殺されるということはないにしても、最悪の場合国外とかに売り払われてしまうといったケースもあったんだとか。外国には男性を奴隷のように扱っている国なんかもあるらしい。


 そんなことになった暁には俺の彼女たちが悲しむだろう。楓や桜たちの悲しむ顔なんて見たくないからな。もう少し警戒するべきなのかもしれない。




 ヘリコプターで一度柚香たちのお城へと移動し、そこからリムジンで自宅まで戻った。自宅に帰ると愛結先輩と光沙先輩が俺たちの帰りを出迎えてくれていた。


「た、大変なことになっていたみたいだね。ニュースでも騒がれているよ」

「わ、渉―。無事で良かったよぉ」


 光沙先輩は目に涙を浮かべながら、俺の無事を確認すると抱き着いてきた。彼女たちはついさっきこのことを知り、俺の家まで慌ててきてくれたらしい。


「お兄ちゃん。良かったよぉ~」

「あはは、碧心配かけてごめんな」


 このニュースは柚香の手によって1時間経過する前に、削除されたらしく今日の出来事は世間からすると知らなかったという人も多かったらしい。千佳姉の親友である月夜さんと日向さんにも聞いてみたんだけど、二人とも知らなそうな様子だった。




 そして今、俺は説教を受けていた。


「あんたねぇ。女子に優しくすることで、救われる子は勿論いるわ。けれどね、もう少し自分のことも考えなさい?貴方に何かあったら私だって悲しいのよ?」

「ご、ごめん真里菜」

「まぁ謝らなくたっていいのだけれど。楓も転生者ってことだから、仕方がないのかも知れないけど、この世界で渉と生きていきたいなら彼の身を守ることも考えなさい」

「はい、ごめんなさい」


 珍しく楓がしゅんと落ち込んでしまっているらしい。俺のことを危険な目に合わせてしまったのが、相当堪えてしまっていたらしい。


「楓」

「どうしたの、渉?」


 俺が楓のことを呼ぶと彼女は不思議そうに俺のことを見てきた。俺はそんな彼女にそっと優しくキスをした。


「そんなに気にするなって。俺だってテンパってたし、碧のおかげで特に何かsれるわけでもなかったんだから」

「わ、渉。うんありがとう」

「楓ちゃんキスしてもらって嬉しそうだね」

「さ、桜。こ、これはそのぉ……ぅぅわ、悪い!?」


 楓は恥ずかしいのかそう叫んでいた。そんな彼女の様子に俺たちは吹き出してしまっていた。少しの間思いつめてしまっていた彼女だが、もう大丈夫だろう。


「しかし、学校に行くときはともかく外に行きたいときはどうしたらいいんだろうか」

「そうですね。渉様には休日は余り外には出てほしくないんですけどね。ほとぼりが冷めるまではしばらく休日の外出は控えてください。もし出るなら、変装が必要かと思いますね」


 変装か。柚香はそう言うと、目をキラキラさせながらカツラを俺に差し出してきた。そんな様子を見た楓はニヤニヤしながら俺のことを見てきた。


「渉君の女装姿かぁ。見てみたいかも」


 桜の一言によってこの場にいる女性陣の頬が一瞬にして真っ赤に染まった。

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