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幼馴染と行くあべこべ世界  作者: ミルフィーユ
第三章:幸せな日々
80/124

#80:水族館

クラス転移をメインに書いてそのサブとして書いていましたが、気づけばこれがメインとなり投稿し続けて80話。もうそんなに書いてるんだなぁ……

今回は水族館に4人でお出かけに行く話です。多分次回に続くと思います。

「こんにちは、渉君」

「こんにちはなのです!」

「こんにちは」


 次の休日、俺は千佳姉と一緒に日向さんと月夜さんと遊びに行くことになっていた。以前、二人が家に来た時に告白をされて友達からと断った。ああ言った手前、二人の喜びを無下にするつもりもないし、個人的には二人とも遊んでみたかった。


 というわけで、二人が家まで迎えに来てくれた。そこから車に乗って移動する。目的地はいつものショッピングモールという案も上がっていたんだが、あそこには結構行っており、たまには別の場所に行きたいとお願いした。




「渉、逸れないようにお姉ちゃんと手をつなごっか?」

「う、うん」


 目的地のある駐車場に到着して、車から降りると千佳姉がそう言ってきた。俺が手を出すと嬉しそうに手を握ってきた。


「反対側の手は私がもらうなのです!」

「あっ、ちょっと日向?ず、ずるい」


 そんな千佳姉を見てか日向さんがさっと反対側の手を握ってきた。すっかり後れを取ってしまった、月夜さんは涙目になって二人に抗議していた。その様子が可愛らしく、余りにもかわいそうだったので、交代制にしてもらうことにした。




「うわぁ、イルカが泳いでるのです」

「そうだね。そろそろイルカのショーが始まるって聞いたけど」


 俺たちは水族館に来ていた。いつもいつもショッピングモールだと流石に飽き飽きしてしまう。まだ夏ではないものの最近は少しずつ熱くなってきたし、水族館がいいんじゃないかということになった。


 そして、最初はイルカのショーを見に行くことになった。各々の考えはもちろんあるだろうが、俺としては水族館といえばイルカのショーなんじゃないだろうか。


 俺は月夜さんと、日向さんの間の席に座った。一つの長椅子に三人ずつしか座れないため、千佳姉は泣く泣くすぐ隣の長椅子に座っていた。月夜さん曰く、水族館のデート特にイルカショーはデートで行きたい場所の上位に入っているらしい。


「まぁ、そんな所に一緒に行ってくれる男子は中々いないけどね」

「そうなのです!だから私たちは幸せ者なのです」


 そう言うと、日向さんは俺の頬に頬ずりをしてきた。


「な、何をしてるの!?」

「頬ずりなのです。渉君の体温はすごく温かいなのです!月夜もやってみるといいなのです」

「そ、そんな恥ずかしいことできるわけないでしょ!?」


 そう言うと、月夜さんは恥ずかしさを隠すためか、イルカショーの行われるステージの方に視線を戻してしまった。



 そして飼育員さんたちがステージに登場した。


「それじゃあ皆さん一緒に呼んでみましょう」


 そう言うと、観客たちが飼育員さんたちの後に続けてイルカたちを呼んだ。休日だからか結構子供たちも多いみたいで、元気にいるかを呼ぶ声が聞こえてくる。そして、その元気な声とともに、イルカが水中から跳び上がり、空中で一回転して水に飛び込んだ。そしてすぐに、水面から顔を出した。


 その後もイルカたちは、素晴らしい演技をしていた。途中で水しぶきが観客席の方にも飛んできて来た。幸いにも前の方の席ではなかったため水が直撃することはなかったが、飛んできた水しぶきによって少しだ濡れてしまっていた。まぁ、このくらいならすぐに乾くし問題ないだろう。


――幸いにも前の席だったと思っていたが、実は千佳姉たちによってさりげなく後ろの席に座るように誘導されていた。前の席に座って、渉の服が透けて、肌を周りにさらしたくないという狙いがそこにはあったのだが、そんなことを渉が気づく由もなかった。


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