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幼馴染と行くあべこべ世界  作者: ミルフィーユ
第三章:幸せな日々
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#79:千佳と親友たち

「ううう、なんかすごく恥ずかしい」

「うわぁーお。あの静香が滅茶苦茶恥ずかしそうな表情なのです」

「私も、あんな幸せそうな静香の表情を見たのは初めてかもしれないな」


俺の膝の上に乗っている月夜さんを見ながら、日向さんと千佳姉がそう言った。

 

「こ、こら。こっち見ないで」


 すると月夜さんは、恥ずかしそうにそう言った。俺としてもこの状態をじっくりと誰かに見られるのは、恥ずかしい。ただ、やはり異性慣れをしていないであろう月夜さんの方が恥ずかしいのだろう。チラチラと俺のことを見ると、すぐに顔を千佳姉たちの方に向けてといったことを恥ずかしそうに何度もしていた。


「あ、ありがとう。渉君」

「どういたしまして」


 やがて緊張も解けたのか、月夜さんは俺に向かって礼を言うとそのまま俺の上から立った。


「じゃあ、お姉ちゃんも」

「千佳お姉ちゃんはダメです」


 月夜も終わり、自分の番が来たと思った千佳姉がそう言うと、碧が俺の膝の上に座った。


「なっ!?さっきまで座っていたんだからいいじゃないか、碧?」

「駄目です。お客さんだから譲ったけど、千佳お姉ちゃんは今度してもらってください」


 碧がそう言うと、千佳姉は少しだけ不満感を示していたが、すぐに切り替えていた。多分後日二人きりの時に要求するつもりだろう。

 



「渉君ともっとイチャイチャしたいなのです」

「ちょっと日向!?」

「だってこんな美少年と遊べる機会は二度とないかもしれないなのです」

「ま、まぁそれはそうかもしれないけど、親友の弟に対してあまりガッツリ行き過ぎて嫌われたくもないし」


 月夜がそういうと、今まで黙っていた千佳姉が口を開いた。


「私は二人に紹介するのは気が乗らなかったけど、今こうして実際にあってるところを見て二人なら構わないかなと思ってる。まぁ、渉が嫌がるようなことをしたときは怒るけど」

「本当なのです?千佳」

「ああ」


 そう言うと、日向さんは俺の横まで移動し、腕を絡めてきた。背は小さいのだが、腕に柔らかい物が当たった。


「渉君。格好いいなのです。一目ぼれしたのです」


 そう言うと、彼女は俺に肩を預けてきた。すると、テンパったのか慌てて反対側に月夜さんが来た。


「わわわ、私も。渉君のことが好き」


 そう言うと、日向さんの反対側から腕を絡めてきた。そして、日向さんと同じように肩を寄せた。それを見た碧は、俺の方に向き直り、真正面から抱き着いてきた。


「ああっ!?みんなずるいぞ」


 それを見た千佳姉が慌てたようにそう言った。


「早い者勝ちだから、ごめんね。千佳お姉ちゃん」

「ふふっ。こんなチャンス逃せるわけないのです!」

「ごめんなさい、千佳。でも、私も渉君ともう少し……」


 そう言って三人はよりいっそう俺と密着してくる。すると、千佳姉が肩を震わせた。


「お、お前らー!」


 その後千佳姉が三人を叱っていた。渉の嫌がらない範囲でと言った瞬間に俺に抱き着いたことや、ずっと膝の上を独占する碧、オマケに最後は自分をハブって三人で抱き着いたことなどが原因らしい。とはいえ、彼女も本気で怒っている様子ではなかったので、すぐに許していた。


 そして、日向さんと月夜さんの告白は一旦保留にしてもらった。またこのパターンかよと思われるのかもしれないけど、いくら千佳姉の親友とは言え、あった当日に付き合うとか言ったことは俺にはできない。何人も彼女作ってる癖にとは思われるかもしれないけど、それは別だ。友達からということで、今度千佳姉を含めて一緒に遊びに行くということで落ち着いた。二人とも凄くうれしそうにしてくれており、その表情はとても可愛らしいものだった。


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