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幼馴染と行くあべこべ世界  作者: ミルフィーユ
第三章:幸せな日々
78/124

#78:静香と恵理

 今日は千佳姉の友達が家に来る日だという。俺に会いに来るということらしいが、千佳姉の部屋にも当然入るだろうから部屋を片付けさせた。ただ、余りにも散らかりすぎていたので俺と楓と桜と真里菜の四人で手伝った。


 碧と五月は自業自得だと言って最初は手伝わなかったのだが俺がお願いすると碧はすぐに、五月も渋々といった感じで手伝ってくれた。




 朝、珍しく早起きした千佳姉が家を出て友達を迎えに行った。そして家から上がって十分ほどすると、玄関の扉が開いた。


「おっ邪魔しまーす!」

「お邪魔します。ちょっと、恵理騒がしいわよ」

「いや、だって千佳の家広いんだもん」


 俺と碧は玄関まで出迎えに行った。すると、小柄な女性が俺たちを見つけると靴をそそくさと脱いで一瞬で俺たちの前まで来るとまとめて俺たちに腕を回して抱きしめてきた。そしてその女性は千佳姉の方に振り返った。


「この子たちが、千佳の弟と妹!?」

「ああ。それともう一人、渉と同い年の妹がいるな」

「可愛い」


 そう言いながら、彼女は俺たちの方を見てきた。すると、もう一人の女性が俺たちのもとに近づいてきた。


「恵理、そろそろ離れなさい」

「まぁ美少年に触れられたし、今のところはこれくらいで我慢なのです」

「千佳の友達の月夜 静香です。お迎えありがとうございます」

「いえいえ、これくらい。いつも姉がお世話になっております」


 俺がそう言うと彼女は、少しの間固まってしまった。そして千佳姉の方を向いた。


「千佳の妄言だと思ってたけど、本当にいたのねこんな子」

「ああ、どうだ!?家の渉はすごいだろう!?」

「ええ。初対面の私にも普通に接してくれる男子でさえ、ほぼいないのに礼儀までしっかりしているとはね」

「ああ、礼儀は私がみっちり教えたからな」

「千佳お姉ちゃん。嘘はダメだよ?」


 見栄を貼ろうとしたのか千佳姉がそう言うと、碧がジト目で千佳にそう言った。




 俺たちはそのまま千佳姉の部屋へと入った。二人と千佳姉だけではなく、当然俺も呼ばれ何かあったは困るという理由で碧もついてきた。


「それではあらためて私は日向 恵理なのです!」

「恵理と静香は私の親友なんだ」

「ええ、凄く仲良くさせてもらってるわ」

「お兄ちゃんの膝の上~」


 千佳姉は簡単に二人のことを紹介してくれた。あぐらをかいて座っている俺の上にちょこんと座る碧の頭をなでつつ千佳姉の話を聞いていた。


「それにしても本当に驚いたわ。渉君は、女の子を膝の上に乗せてるけど、抵抗心とかはないの?」

「はい、ないですよ。碧は俺にとって大事な人ですから。勿論千佳姉もそうですけどね」

「ふふふ、愛されているのね千佳」

「うんうん。私もそこに入りたいのです!」

「恵理。いくら何でもそれは……」


 恵理さんが碧を見て羨ましそうにそう言ってきた。初対面の人に矢っていいことなのかは正直分からないのだが、千佳姉の友達である彼女がしてほしいというんだったら、これぐらいはしてもいいだろう。


「分かりました、構いませんよ。碧ちょっとだけいいかな?」

「う、うん」


 碧にお願いすると、碧は俺の膝から降り、俺の横に座った。そして俺は日向さんと目を合わせると彼女は目を輝かせて俺の前まで来てゆっくりと俺の上に座った。


「ふぇぇぇ。美少年の膝の上……極楽なのです!」

「え?そんなことまでするの!?少し恵理が羨ましいわね」

「ふふん、渉は困った人を見過ごせない性格なのだ。まぁ、勿論誰にでもああいったことをやるわけじゃないがな」

「……私もやってほしいな」


 月夜さんが小さな声で何かを言っていた。するとその近くにいた千佳姉が俺と目線を合わせた。


「どうやら静香もやってほしいらしいんだが、どうだろうか?」

「ふぇっ!?でも、渉君に悪いし」

「千佳姉の友達のためなら構いませんよ」

「こんなチャンスはもうないかもしれないし……分かったわ、お願いします」


 そう言うと日向さんが俺の膝から立ち上がり、代わりに月夜さんが俺の上に座った。  

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