表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幼馴染と行くあべこべ世界  作者: ミルフィーユ
第三章:幸せな日々
76/124

#76:千佳の秘密

閑話みたいな感じですかね。千佳姉編になります。

あべこべ世界観が薄れているような気がしたので補充しつつ、渉がこの世界に来た少し前ぐらいからの千佳姉視点です。

なので今回は渉は出てきませんm(__)m

 私の名前は千佳。昨年、高校を卒業したばかりの大学一年生だ。大学で新たに友達もでき、その中でも親友と呼んでもいいくらいに仲良くなった二人がいる。大学の近くの駅で今日も待ち合わせをしていた。


「おはよ、千佳」

「おはよーなのです!」

「おはよう、二人とも」


 淡々と語る彼女の名前は静香。身長は平均よりも少し高いくらいだ。成績は常にトップを取り続けており、運動も苦手ではないという。おまけに顔立ちも整っており、完璧超人と言わざるを得ないだろう。

 そしてもう一人、小柄で可愛らしく語尾に「なのです」と付ける彼女の名前は恵理。成績は余りよくないのだが、その容姿と当たり障りなく接する性格が、学内からも人気が高い。


 私たちは親友ともあって、色々なことを相談しあっている。お互いの秘密なんかも結構暴露しあったりするほどの仲だ。




 そんな私だが、実は一つだけ彼女たちにも言っていない秘密がある。それは渉という滅茶苦茶可愛い弟がいる。顔立ちが整っているというだけでも申し分ないのにこの国、いや世界中を探しても渉を超える美貌の持ち主はいないと思っている。少し前までは、性格は良いとは言えなかった。それでも、他の男子に比べれば全然良かった方だし、男の子としては普通の反応だと思っていた。そんな彼と一緒に生活できるってだけでも、幸せだった。




 そんなある日の出来事だった。渉が入院したと学校にいたときに時に聞いた。私は慌てふためいたが、学校があったため抜け出すこともできず、お母さんに任せることにした。しかし、その道中も私の中での焦りは止まらなかった。


 渉の無事が通告されたときは凄くうれしかった。しかし、退院した彼は私の想像を超えてしまっていた。性格が優しかった。今までは手を触ることさえ許してもらえなかったのだが、手を触っても怒るどころか照れるような仕草さえ見せてくれるようになった。


 記憶喪失になってしまったと聞いたときは、私たちのことなんて忘れ去られてしまったんだ。家族としての日々はなくなったんだ。私と楓、千佳と渉の四人で小さい頃に約束した、ずっと一緒にいようっていう夢が忘れられてしまったんじゃないかと思って怖かった。


 しばらく一緒に過ごしていると彼らから衝撃の事実を聞いた。渉と楓は以前の二人ではないらしい。いや、体は本人だが精神は前の二人と入れ替わった、あるいは以前の二人が死んでしまった際に今の二人の精神がたまたま入り込んだとのことだ。聞いていると話がよく理解できなかった。


 詳しく話すと、彼らは元々別の世界に住んでいたという。男性と女性の数がほぼ同じ世界。私たちがそこに行ったらどんなに幸せなことだろう。彼らはその世界で生きた最終日に恋人同士になったみたいだ。そしてトラックに惹かれて気が付いたら、この世界で入院していたそうだ。

 つまり彼らは別の世界の人間で、以前の渉と楓ではない。しかしながら、私も碧も以前とは違い私たちにも優しく接してくれる彼のことが好きになってしまった。そしてあった句を続けて、ついに彼と恋人になることができた。


 私の面倒くさがりな性格も見てもなお、優しく接してくれる今の渉が大好きだ。


 顔もよく、性格もいい今の渉を世間の人が知ったら放って置くはずがない。だから私は彼のことを秘密にし続けている。



「そう言えば、千佳っていつもそのストラップ付けてるよね」

「あ、知ってる。そのストラップ中に写真入れられる奴だよね。えい」

「ちょっと、辞めないか!?」


 私が普段バックに身に着けているストラップが開かれ、中には一枚の写真が出てきた。そこには私と、最愛の弟――渉が映った写真が出てきた。


「千佳、この殿方は?」

「千佳、このイケメンは誰なのですか?」


 私は二人に詰め寄られ、秘密を白状させられたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ