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幼馴染と行くあべこべ世界  作者: ミルフィーユ
第三章:幸せな日々
69/124

#69:柚香と春香(後編)

サブタイトルが思いつかなかったというより、前回のサブタイのまま後編としたほうがいいかなと思いこうしました(手抜きじゃないです)

「何で、勝てないんだろう」

「本当に強すぎます」

「拙者の動体視力と瞬発力を使っているだけでござる」


 エアーホッケーを行った後、太鼓を使ったリズムゲーやワニを叩くゲームをやった。3人でスコアを競って勝負したのだが、どちらも大和の圧勝だった。前者のゲームは大和は最高速度のモードでプレイしていたのだが、一つもミスをすることなく完璧にクリアしてしまった。後者のゲームもワニが上がろうとした瞬間に叩いてを繰り返していたため、こちらも一匹も逃すことなく全てを叩いていた。


 勿論、そんな彼女に俺たちが勝てるわけもなく俺たちは負けた。まぁ、ゲーマーの俺としては凄いプレイが見られて満足なような、人間の領域を超えているようで複雑なような様々な感情が渦巻いていた。


 そしてゲームセンターでいっぱい遊んだ後、俺たちはフードコートに来ていた。


「まぁ、ファストフードかラーメンでも食べようかな」

「珍しいでござるな。男の人はそういうのあまり食べたがらないと聞くでござるが」

「渉様に常識は通じませんよ。ね、渉様?」

「そうだな。というか、普通に美味しいじゃん」

「拙者が3人分買ってくるでござるよ。決まったら教えてほしいでござる」


 それは流石に悪いから俺が買いに行くよと言ったのだが、それは2人に反対された。春香曰2人に注文に行かせるわけにはいかないとのことだった。そんなこと気にしなくていいと言ったのだが、護衛の観点から考えても柚香お付きの護衛がいるここにいたほうがいいらしい。いつの間に護衛がついていたのか。俺はあたりを見まわしたが、それらしき人物は見受けられなかった。見渡す過程で、何人もの見知らぬ女性と目が合い今にもこちらに来そうな感じだったが、誰一人話しかけてくる人はいなかった。




「お待たせしたぜござる」

「おー待ってました」

「ありがとうございます、春香」


 俺は醤油ラーメンを、柚香はwと書かれたファストフード店でチーズの入ったハンバーガーのセットを頼んでいた。春香は俺と同じ店でうどんを買っていた。


「渉様。はい、あーんです」


 柚香はそう言うと、ポテトを一本俺の口元まで運んできた。俺はそれを食べさせてもらった。


「ふふふ、おいしいですか?」

「ああ。柚香に食べさせてもらったからか、さらにおいしくなった気がする」


 俺がそう言うと柚香は固まってしまった。流石にキザすぎるセリフだっただろうか。


「ずるいです。カッコ良すぎます」


 彼女は恥ずかしそうにゆっくりとそう言った。そんな柚香のことを春香は優しい目で見守っていた。




「半日でしたけど、どうでしたか春香?」


 そう言えばいつの間にか柚香が彼女のことをさん付けで呼ばなくなっている。いつのまにか二人で手をつないでいるし。


「楽しかったでござるよ。柚香殿、渉殿」

「おう、それはよかった」

「そうですね」


 すると春香が切り出しにくそうに言った。


「また今度遊びに行くときに誘ってほしいでござる」


 あまりにも深刻そうに言うので、俺と柚香はつい吹き出してしまった。春香は俺たちが笑ったことに、困惑した表情を浮かべた。


「柚香殿に渉殿?」

「ごめんなさい、ついびっくりしちゃって」

「俺たちはもう友達だろ?勿論また誘うよ」

「今度は私以外の渉様の彼女も連れてきますね」

「柚香殿、渉殿」


 春香は目に涙を貯めると、柚香に思いっきり抱き着いていた。初めて友達という友達ができて、また遊んでくれるといわれて嬉しかったのだろう。俺に抱き着いてくれてもよかったのに、という邪な考えを脳の奥に置き去り、俺はそんな二人を見守っていた。


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