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幼馴染と行くあべこべ世界  作者: ミルフィーユ
第三章:幸せな日々
68/124

#68:柚香と春香(前編)

68話目です。

柚香が(渉を巻き込んで)春香を連れまわす話となっております。

 今日の行動は全て事前に柚香が準備してきたらしい。今日はどこに行くのだろうとは思ったのだが、やっぱり服屋だった。


「ゆ、柚香殿。この店に入るのでござるか?」

「ふふっ、そうですよ」


 春香は真里菜を助けるときの彼女とは違い、柚香の後ろに隠れて恥ずかしい物を見るようにお店のほうを見ていた。


「あんなに可愛らしいものがある場所に行くなんて……拙者恥ずかしいでござるよ」

「春香さんは可愛らしいですから大丈夫ですよ。絶対に似合いますから。そう思いますよね、渉様?それに今着てる服だけじゃ、足りませんし」

「今着てる服も可愛いけど、もう少し色々な服を見てみたいな」


 俺は両手を合わせて、彼女に頼み込むようなポーズをした。すると彼女は恥じらいからか顔を少しそむけた。しかし小声で


「そ、そこまで言われてやらぬは大和の恥でござる。柚香殿、よろしく頼むでござる」


 と言っていた。それを聞いた柚香は目を輝かせて彼女と俺の手を取り店へと引っ張った。




「こんな服はどうでしょうか?」

「は、恥ずかしいでござる」


 柚香が何やら上機嫌で服をいくつか選んでいた。本当にいろんな色の服を選んでいるのだが、どれも春香が着たら似合いそうなものばかりだった。中には少し大人が着るような、露出の高い服を着せたりもしていた。その時は、俺と柚香まで恥ずかしくなってしまい結局買わなかったけど。


「これなんてどうでしょう」


 そう言って柚香は白と黒のうさ耳をどこからか持ってきた。柚香が白を、春香が黒だ。


「すげぇ、可愛い」

「本当ですか!?」

「ほ、本当でござるか?」

「ああ」

「それならこの服とセットで売ってた服も買ってきますね」


 そう言って柚香は、うさ耳セットの白と黒、それから他にも選んでいた服を買っていた。袋を受け取った後、すぐに誰かに渡していた。


「荷物は使用人に車まで運ばせるので大丈夫です」

「お、おう」


 柚香のところの使用人ってどうなってるんだ?春香も驚いた様子はないし、王家関係だとこれは普通のことなんだろうか。難しいことは考えてもよくわからないので、俺は考えないことにした。


「渉様、私ゲームセンターという所に行ってみたいのですが」

「いいね、いこっか」


 家でゲームはよくやるんだけど、この世界に来てからゲームセンターには来たことはなかったな。


『通信聞こえますか。ゲームセンターに行きます。警備の増強をお願いします』


 柚香が例の通信端末を使って護衛に何かを伝えていた。




「うわぁ、たくさんのゲーム機がありますよ、渉様」

「ああ、そうだな」

「これ全てがゲームでござるか……」


 俺からしてみれば、この世界に来てからは初めてということだけでゲームセンターには行ったことはある。そのため、普通より少しひっろいくらいのゲームセンターという認識しかなかったのだが、二人にとっては違ったらしい。


 ショッピングモールには普段来ることのなかった柚香と春香。柚香も、俺と会うまではあまりゲームはしなかったとのことだ。春香も護衛と修行に明け暮れた日々を過ごしており、二人ともこういった場所とは無縁だったのだ。


――そりゃあ家よりはたくさんゲームは置いてあるよなぁ


 俺は少し皮肉っぽく思った。とはいえ、ゲームセンターにあるゲームと家庭用のゲームはジャンルが違う。ゲームセンターで有名なのと言えばクレーンゲームとメダルゲームあたりだろうか?


「あ、あれとかやってみませんか?」

「エアホッケーか。確かに、面白そうだな」


 俺と柚香と春香の三人でエアホッケーをやることにした。春香は体を使ったゲームは得意とのことだったので、最初にやるにはピッタリだろうということだった。


 じゃんけんの結果、俺と柚香vs春香になった。2人でやればそうそう負けることなんてないだろう。


――0-15で負けました。春香の反射神経が凄すぎて、手も足も出なかった。


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