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幼馴染と行くあべこべ世界  作者: ミルフィーユ
第二章:委員長編
65/124

#65:大和 春香

新キャラ登場でござる。

うーん最初のほう普段あまり書かない書き方しちゃったなぁ……

 あの時、真里菜はなぜ少し暗い表情をしていたのか。ただの勘違いならばいいんだけど、少し気になるな。俺は少し不安な気持ちを抱えながらも、学校へ向かった。


「渉君、どうかしたの?」

「いや、何でもない」


 俺は教室に着いてや、真里菜が普段座っている席を見た。しかし、そこは空席だった。いつもなら、俺よりも早く来ているはずなのに。桜は、俺のことを見てどうしたのかと聞いてきたが俺は何でもないと答えた。


 そして、翌日彼女は学校を休んだ。体調不良ということらしい。心配になってすぐに電話をかけた。しかし、電波の届かないところにあるという通知が来た。俺の中で凄い胸騒ぎが起きた。



「柚香、頼みたいことがあるんだけど」


 俺は柚香と桜に、真里菜のことを打ち明けた。すると、柚香は少し驚いたような表情を浮かべた。


「それは本当ですか?」

「私は、渉君の言うこと本当だよ思うよ。というか、確証はなかったけど、怪しい感じは私も感じ取ってはいたしねー」

「分かりました。では、調べてみますね」


 柚香が何もいない空間に向かって何かをしていた。とは言っても、指の動きだけであり他の生徒たちは気づくほどの動きをしたわけではないけどね。しばらくすると、柚香がスマホを取り出した。そして内容を確認した後、俺のほうを向いた。


「情報が届きました」


 そして、俺は初めて知った。真里菜の家の事情や、聡と名乗る男の実態が。彼は極度の、女好きで、転移者ではないかと推測されている。さらに違法な薬物などに手を出しているといううわさもある。


「悪いうわさが絶えない人ですからね。ここで潰しても問題はないかと」

「……いいのかよ」

「まぁ、昔の私や母だったら渋っていたかもしれませんが、渉様もいますし大丈夫です」


 柚香はニッコリと笑った後、再び手を顎に当てて考え始めた。


「とは言え、軍を動かすわけにはいきませんからね。少人数で殴り込みに行くしかないですね。私の暗部をあまり表沙汰にはしたくないんですよね」


 暗部とか言っているんだけど、さっき柚香は暗部の人たちに何か言ってたってこと?というかこの教室にもいるの?俺はこの世界に来て、数少ないファンタジーに若干心が浮かれた。しかし、真里菜のことを思い出して、すぐに気を引き締めた。


 どうするかと思っていると突然声をかけられた。


「どうかしたでござるか?」


 振り返るとそこには肩にかかるほどの黒髪に、キリっとした顔でどこか大和撫子を思わせる感じの少女が立っていた。雰囲気はどことなく楓に似ているような気もする。


「えっと、その」


 これは勝手に話していい内容なのだろうか。柚香のほうを俺はちらっと見た。


「困ったときはお互いさまでござるよ。おっと、拙者の名前を知らぬでござるか?」

「ええと、まぁ」

「拙者は大和 春香と申す」

「大和家の方でしたか。なら、話しても問題ないですよ、渉様」


 柚香からの許可ももらったので、彼女に事情を説明した。彼女はどうやら王国暗部に近い、家柄らしい。


「それでどうやって突入するんだ?」


 俺は柚香に聞いた。柚香は色々作戦を考えていたみたいだが、にっこりと笑うと


「全て大和さんにお任せしますわ」


 と言った。え、彼女ってどれだけ強いの?


「白川殿、これからよろしく頼む」

「頼む、真里菜を救い出してくれ」


 俺にできることはこれくらいだろう。真里菜を救うことに協力している彼女に頭を下げた。男性が言っているからではなく、俺の気持ちをしっかり伝えたつもりだ。俺がそういうと彼女は少し驚いた表情を浮かべた。


「うむ、任せるでござる。それにしても、殿方にここまで言わせる真里菜殿が羨ましいでござるよ」


 そして彼女はそう言って俺に微笑んだ。


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