表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幼馴染と行くあべこべ世界  作者: ミルフィーユ
第二章:委員長編
64/124

#64:絶望そして光

更新時間ぎりぎり。昨日、書けなかったなぁ……


地下室に監禁された院長。そして、悪魔のあいつがやってくる。

新キャラ登場します!

 あれから私はあいつが来るまで地下室に監禁されていた。縄で縛られて動けない状態。ご飯は一応与えられるけど、自身の親がこんな事をするなんて思ってもみなかった。




「ぐえっへっへ、真里菜ちゃん」


 そして、ついにその日がやってきてしまった。地下室に監禁されてから2日弱。既に私のメンタルはかなり擦り減っていた。そこに見たくもない奴が視界に映る。その後ろには母もいる。彼女は私のほうをニヤニヤとした笑みで見ていた。


 彼は私の服の上から胸部を撫でまわすように触ってきた。正直、気持ち悪いの一言に尽きる。女なら男の人にこうされたら気持ちいいと聞いたことはあったけど、全くそんなことはない。もし、渉がやってくれたならと一瞬考えもしたが目の前のやつに現実に戻された。


「真里菜ちゃん、他の男のことを考えているなぁ?どこのどいつだ言ってみろ?」

「い、言えません」


 渉に迷惑をかけるわけにはいかない。私は目の前の物体を睨んだ。しかし、奴には黄河がないどころか舌なめずりをして私のことを嘗め回すように見てきた。


「おい」

「何でしょうか、聡さん」


 奴が母に向かってそう言った。母は媚びを売るようなポーズをとった。


「こいつを俺の車まで運ぶぞ」

「かしこまりました。聡さん。えっと、そのお金と寵愛のほうは」

「勿論だ」


 奴がそういうと、母は私を持ち上げた。私はもちろん抵抗したが、縄がほどけることはなく抵抗するたびに母からの冷たい視線が突き刺さる。


「助けて、私は好きな人と」

「まだ、そんなことを言っているの?私たちにとって聡さんが一番大切なの。何でわからないのかしら?」


 母は考えを改めてくれる気はないらしい。私を持ち上げようとした母を奴が止めた。


「いや、今ここで俺のものにしよう。押さえつけといてくれ」

「まあ、分かりましたわ。……真里菜、聡さんにけがを負わせたらただじゃおかないわよ」


 そう言うと、私は再び地面に降ろされた。そして、母と奴の二人がかりで私を抑えつけた。そして私の服を脱がせようと奴が手をかけてきた。ここで、私はこんな奴に。そう思うだけで目に涙が溢れてきた。


「助けて」

「ああん、こんなところに誰も来るわけ……」

 突然、扉が開いた。扉の前には黒髪の少女が立っていた。彼女は確か……


「その願い聞き届けたでござる」

 

 彼女は、そう言うとあっという間に奴と母を剣で気絶させた。そして、すぐさま私の縄を剣で切ってくれた。


「おーい真里菜無事か?」

「真里菜さん、ご無事ですか?」


 遅れて扉のほうから二つの声がした。一つは王女様の、もう一つは私の大好きな渉の声だった。


「助けに来てくれたの?」

「ああ、とは言っても俺は何もしてないけどな」

「いえ、渉様が真里菜さんの様子に気づいてなければただの風で済ましていたと思いますよ」


「気づいてたの、渉」

「ああ、お前最近元気なかったろ。何て言うか、表情が時々暗くなる時があってな、それで昨日から休んでたからな。それで、柚香に相談したんだ」

「拙者は護衛役というわけでござる」


 渉は私のことをきちんと見て、助けてくれたんだ。その嬉しさから再び私の目に涙がこぼれた。先ほどとは違い、悔しさや恐怖から来るものではなく、嬉しさから来たものだった。


 私は渉に抱き着いた。彼は驚いた表情を浮かべたものの、頭をやさしくなでてくれた。奴に触られたときは不快感しかなかったが、渉に触られると全身が幸せな気持ちになった。


「あ、あのね渉」


 私は勇気を振り絞って彼のほうを見た。


「大好きだよ、渉!」


 私は彼にそう言った。後で柚香から聞いたのだけど、この時の私は最高に可愛い顔をしていたらしい。

次回は時間を少し巻き戻し渉sideの話になります。

新キャラについても詳しく話を掘り下げて(できるかな……)いく予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ