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幼馴染と行くあべこべ世界  作者: ミルフィーユ
第二章:委員長編
58/124

#58:恋の戦場への道

次回からは渉視点に戻るかも……?

 そしてデート当日、私たちは渉様の家に集合しました。メンバーは渉様と桜さんと五月さんと真里菜さんと私――柚香です。今回は渉様の家に車を使わせてもらうことになりました。とは言っても、楓さんと愛結さんには私の家の車を使って別行動中ですが。


 先日、彼女たちに相談したところ、影から見守ってくれるとのことだったので送り迎えだけでもと思い家の者に頼んでおきました。あの二人は心配しなくても大丈夫でしょう。




「相変わらず、規格外ね。それで、私なんかを車に連れ込んでどうするつもりかしら、渉?」

「連れ込むって人聞き悪ぃな!?五月たちから聞いてないのか?」

「ええ、聞いているわ」

「……お前な」


 そう言う渉様は、あきれた表情を浮かべながらもどこか楽しそうな様子でした。そんな2人を見て、桜さんはクスっと笑いました。彼女がどのような心情かは分かりませんが、できの悪い娘を見ている母親、そのような感じがします。あっ、勿論年を取って見えるとかそういうことではないですよ。


「どう思う、柚香?」

「ふえっ!?」


 そんなことを考えていると、突然耳元で桜さんに囁かれてつい驚いたような声を上げてしまいました。そんな私の声に反応したのか渉様と真里菜さんもこちらをちらっと見ましたが、すぐに機転を利かせたのか五月さんか2人のもとに言ったことで今度は3人で話し始めました。


「それで今五月がいるけど渉と真里菜さ、結構いい感じじゃない?」

「そうですね、お二人とも楽しそうです」

「ね、真里菜ちゃんは渉と二人きりだととげのある言葉ばっかり口から出ちゃうと言ってたけど、まぁ渉君も分かってるんだろうね」

「どういうことですか?」


 私が、彼女に聞くと「うーん」少し考えるそぶりを見せると、確証はないんだけどと言って話し始めた。


「そういうこと全部ひっくるめて、好きなんじゃないかな?まぁ渉君鈍感だから多分気づいてないけどね」

「なるほど」


 確かに渉様は鈍感ですけど、桜さんの観察眼は普通に凄いと思います。小さいころの渉様を知っているからこそ、できる芸当なのでしょうか。あれ、でも楓さんは鈍いって前言ってましたよね?じゃあ、桜さんが特別にそういうことに長けているのでしょうか?


「さてと、じゃああっちの会話に混ざろっか?」

「そうですね」


 桜ちゃんが耳元で、そう囁いてきたので私たちも渉様たちのほうの会話に混ざることにした。




「あら、何を話していたのかしら?にしても、車の中で離れて別々に話す必要ないじゃない?渉、何か知ってるのかしら?私だけ仲間はずれにしたのね」

「いや、違ぇし知らんわ!?」

「そ、じゃあ何を話していたのかしら?」

「って、俺のことはどうでもいいのかよ!?」


 真里菜さんがそう言うと、渉様が少し大きな声でそう言った。真里菜さんは口元に手を当ててくすっと笑うと


「ごめんなさい、貴方の反応が面白いかったのよ」


 と言った。それから渉様を中心に色々と話が展開したため、彼女から先ほどのことについて聞いてくることはなかった。


「おっ、着いたかな?」

「そうみたいですね、渉君足元気をつけてくださいね?」

「大げさだって、五月。でもありがとな?」


 そう言うと、渉様は五月さんの頭を優しくなでた。くぅ、羨ましいです。私も渉様になでなでしてほしいです。それでデートして、手をつないで一緒にショッピング――おっと、いけない今日の目標はそれではないです。私はそう思いながら車から降りた。


 そして私たちはショッピングモール――恋の戦場へと足を踏み入れたのです。


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