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幼馴染と行くあべこべ世界  作者: ミルフィーユ
第一章:学校編
53/124

#53:三連休 三日目

皆様お久しぶりです。

ようやくごたごたも終わったので、今週からまた再開していきます。

 長いようで短い三連休も、いよいよ最終日だ。今日は千佳姉と過ごすことになっている。


「さてと、それじゃあお姉ちゃんに今日のデートプランは任せてもらうね」


 そう言うと、千佳姉は手を引っ張ってくれる。いつもの彼女からは想像できないほど、カッコよく兄や姉がいたらこんな感じなのだろうかと思った。


 せっかくのデートだから、歩いていくのもいいものだろうとも考えた。しかし男の俺が歩いているというだけでやはり危険らしく、遊びに行く際の歩きでの外出は母さんに許して貰えなかった。




「それで姉さん、一体どこに行くの?」

「秘密だよ。まぁ、ショッピングではないから安心してね」


 そう言うと、彼女は俺の頭を優しく撫でてきた。どうやら彼女は楓と五月の2人とデートに行った際に荷物持ちをさせられたことを聞いているらしい。手を伸ばされたので、触ると彼女の方に体を引っ張られた。光沙先輩ほどではないものの、かなり大きくて柔らかいそれの形が崩れてしまうんじゃないかというほど強く抱きしめられた。


 恥ずかしさから頬を真っ赤に染めている俺をよそに、彼女はそっと俺の口にキスをしてきた。俺は突然の行為に恥ずかしさから目をそらした。


 しかしながら、千佳姉はそれほど恥ずかしがっているわけではないのか、そのあともちょくちょく誘惑をしてくる。最近俺の恋人たちが頼もしすぎる気がする。


「渉君、ついたよ?」

「……ここは?」


 千佳姉に続いて車から降りると、そこは駐車場であった。とはいえ、ほかに車が止まっている様子はない。


「ここはショッピングモール。まぁ、私達が行くのは映画館だけどね?」


 映画か。そういえば、この世界の漫画とかは読んだことはあるけど、映画は見たことなかったな。千佳姉に何の映画を見るか聞くと、どうやら恋愛映画らしい。また過激なやつなのだろうかと疑ったのだが、どうやら違ったらしい。




 俺たちが見たのは『僕の名は?』というストーリーだった。一人の女子高生が、男子高生と出会い二人きりの秘密を共有したりしているうちに、段々と惹かれあっていくというストーリだった。途中まではどこかで見たことのある展開だったのだが、隕石の話が出てくることもなく、最後は周りの人々の反対に耐えながらも真実の愛を認めさせるという内容になっていた。


 そんなわけで、俺は違和感を覚えたのだがこれはこれでとても面白かった。号泣している千佳姉の横でこんなことを言うのは、申し訳ないような気もするけどギャグ映画としては満点だったと思う。


「渉君、2人がよかったよ~」


 涙で若干、聞きづらいが千佳姉はそう言って俺に抱き着いてくる。


「……まったくしょうがないなぁ」


 俺はそう言うと、彼女の頭をそっと優しくなでた。映画を見終わった後は、ショッピングモールで買い物をすることがなく、そのまま家に帰った。




「おかえりなさい、お兄ちゃん」

「ただいま、碧」

「お姉ちゃんに変なことされなかった?」

「なっ、なんもしてないよ!?」

「んーどうだろ」


 俺が少し考えるような仕草を見せると、千佳姉が慌てふためいた。そんな彼女の様子がおかしくて俺はつい吹き出してしまった。二人ともどうしたのかと焦るように聞いてきた。俺は千佳姉の頭を再びそっと撫でて、碧に言った。


「別に何もされてないよ。むしろとっても楽しかったよ。ありがとね、お姉ちゃん」

「はわわ、渉君……尊い」

「お姉ちゃんだけずるい!」


 すると千佳姉が俺に抱きついてきた。そして碧が頬をリスのように大きく膨らませると、彼女も俺に抱きついてきたのだった。


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