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幼馴染と行くあべこべ世界  作者: ミルフィーユ
第一章:学校編
48/124

#48:渉のお願い

遅れて申し訳ありません。

学園都市の方に投稿してました。

 俺たちは一位だった。リレーが終わっての総合順位がそのまま最終結果にも響いた。俺たちは学年一位、楓たちのクラスは学年二位となった。


 俺と楓の賭けは俺の勝ちという結果で終わり、桜との賭けは負けた。あれ、これ桜が何気に二連勝してないか?久しぶりに賭けで楓には勝ったんだけど、桜には負けた。桜は一体なんてお願いをするんだろうか?まぁ、今はそれは良いか。




「お疲れ様、渉。まさか、負けるとは思ってなかったわ」

「おつかれー。負けちゃったかー」

「おう、勝負は俺たちの勝ちだな」

「ふっふっふ、私もお願いごとを考えておきますよ」

「私は……渉の小さいころの写真を……ふふふ」


 悔しそうな表情を浮かべる楓と由衣。一方で、五月はドヤ顔でご褒美を考えていた。桜は現在、他の友達の手伝いに行っているため、ここにはいない。賭けに参加していない柚香は俺の彼女で、同じく賭けに参加していない愛結先輩と、光沙先輩の所に行ったらしい。というか、委員長が良からぬことを考えている気がするんだけど、良く聞こえなかった。気の正であってほしいけど。


 

「それで、みんなは私たちに何をお願いするのかしら?」

「うん、何でもいいよー?」

「それじゃあ、俺からいいか?」

「ええ、構わないわよ」

「俺のお願い事は――」




 翌日、俺は私服姿で近くのショッピングモールへと来ていた。左手は楓と、右手は由衣とそれぞれ手を繋いでいる。俺が二人に頼んだのは、休日デートだ。ただし、二人セットでだ。


 というのも、楓は桜以外の彼女と一緒に行ったりすることはめったになかった。以前、理由を聞いたのだが、桜は慣れているから大丈夫らしいのだが他の女子と一緒に行くのは恥ずかしいのだという。


 ならば、由衣と一緒ならばどうだろうか。楓にとってはこの世界からの付き合いだが、由衣のことは親友だと思っているらしい。しかし、俺の彼女という訳ではない。俺の彼女ではない親友が、一緒にいるとさらに恥ずかしさは増すだろう。そこで俺が楓とイチャイチャすることで楓を恥ずかしがらせて、今日は俺が揶揄うのだ。


 そしてもう一つ目標がある。それは由衣とデートをすることである。前に由衣の家に遊びに行ったときもドキドキはしたんだけど、デートほどではなかった。この世界で生まれ育った彼女にとっては違うのかもしれないが、俺にとってはもう少しイベントが欲しかった。


「うぅー。手を繋いじゃってるよー」


 楓は先程からずっと俯いており、由衣は顔を真っ赤にしていてとても恥ずかしそうであった。由衣は先程から俺の方をチラチラと見ては目があい、目をそらすといった行為を繰り返していた。二人とも疲れた様子だったので、少しベンチで休憩することにした。


 ベンチに座ってからは2人とも俯いてしまって何も離さない。どうしようかなこの状況。どうしようかしばらく考えていると、良いこと思いついた。


「由衣、見てて」

「え?う、うん」


 俺は由衣にそう言うと、楓の方を向き彼女の肩を優しく叩いた。楓は一瞬ビクッとすると慌てて俺の方を向いて「何?」と聞いてきた。俺は横目で由衣が見ているのを確認すると、そっと彼女の唇にキスをした。


  突然の行動に、楓は顔を真っ赤にした。楓は恥ずかしかったのか、無言で俺の胸に飛び込んできた。少しやりすぎちゃったかな、まぁ楓には普段から色々されてるし、これぐらいは許してくれ。さてと、次は由衣の番だ。


「あわわ、渉が楓とキスー!?」

「それで、由衣もキスしたい?」


 俺がそう言うと、彼女は一瞬固まった。しかし直ぐに俺が言っていることを理解したようで、再び顔を真っ赤に染めて、恥ずかしそうに素早く首を縦に振った。


「分かった、それじゃあ行くよ」

「うん、ファーストキスを貰ってー」


 俺は顔を近づけて、そっと由衣の唇にキスをした。 

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