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幼馴染と行くあべこべ世界  作者: ミルフィーユ
第一章:学校編
47/124

#47:決着!体育祭

今回の渉たちと楓たちの勝負における勝敗の分岐点。果たして勝つのは?

 いよいよ俺たちの学年のリレーが始まる。この勝敗次第で俺たちと楓たちとの勝負が決まるだろう。俺たちのクラスの一番手は何と桜だった。彼女は運動もそこそこできる上に、女子の中でも人気者な為か、皆から推薦されていて満場一致で決まっていた。本人は


「責任重大だね。渉君、勝ったらご褒美もらうからね?」


 とニヤニヤした笑みを浮かべながら俺にこっそりと言ってきた。あれ、この状況勝っても負けても俺何かされるのでは?


 あれぇ、おかしいぞ?まぁ、俺が勝てば楓と結衣になにか一つ聞いてもらえるし、楓と桜のお願いだったらまだ桜のほうがマシだろう。


「位置について……よーい」


 バンとピストルの音が鳴り響き、第一走者の生徒たちが一斉に走り出した。トップは桜だった。スタート直後から徐々に他の選手と差を開き、一位で次の選手にバトンを渡していた。彼女はそのままレーンから出ると、俺の方に向かって笑顔でピースしてきた。にゃろう……可愛い。


 そしてレースは次へ次へとバトンを繋いで、進行していた。途中までは、桜のリードをキープしていたのだが、途中で楓たちのクラスに追い抜かれてしまった。


「追い抜いたわね。あれ、私が勝っちゃうわよ、渉?」

「こっから、逆転するんだよ」


 逆転して少し距離を離された時に、楓がドヤ顔でそんなことを言ってきた。勝ち誇った顔をされたのだが、まだ負けたと決まったわけではない。


 しかし徐々に距離が開いていき、気づけば1/4周くらい遅れていた。徐々に離されていくにつれ楓がチラチラとニヤニヤしながら俺の方を見てくる。


 しかしここで転機が起きた。バトンが委員長に渡ると彼女は徐々に距離を縮めた。追い抜くことこそはできなかったのだが、そこそこ開いていた差が一気に縮まった。


 その後はその距離をほぼ保ったままどんどんバトンが繋がれ、気づけばバトンは五月の前の選手がバトンを受け取っていた。最後のクラスの選手のバトンの受け渡しが終わると、俺たちはレーンで準備した。アンカーだけは半周ではなく、一周走らなければならない。


「私たちで決着がつきそうね」

「そうだな。絶対負けないからな」

「それは私のセリフよ」


 五月は少し遅れてバトンを受け取ったものの、いい感じに結衣の後ろをつけて、背中に届きそうなくらいまで距離を縮めた。もう少しで追い抜けそうと行ったところで奇しくもコーナーに入ってしまった。

 

 結衣よりも五月の方が僅かながらも早いため、アウトコースを使って並走してきた。バトンが渡るタイミングでほぼ同時に俺と楓は五月と結衣からバトンを受け取った。


 残念ながら俺のほうがアウトコースにいるため、コーナーの部分で若干不利だ。そして俺と楓の速さはほぼ同じだ。この勝負最後のコーナー開けてからが本当の勝負になる。


 俺はひたすら楓の後ろを走り続けた。そしてついに勝負の時が来た。俺はアウトサイドに出て楓を抜いた。そのタイミングでコーナーから直線へと移っていた。


 これなら行ける。コーナーが終わった瞬間見えなかった楓の体が視界の端に見えた。くそっ、ここまで温存してたのか。

 

 徐々に距離を縮められて彼女が若干俺の前に出たような気がした。まずい、このままでは負ける。


 いいのか、それで?俺は自分の中で問いかけた。みんながここまで頑張って来たのを無駄にするのか?俺がアンカーをやりたいってお願いしたんだろ。そして、このかけだって負けるためにやってるんじゃない!


 俺は右足にぐっと力を入れて加速した。そして、ゴールテープギリギリで楓と並走した。


「ゴール!」


 そして俺たちはゴールテープを駆け抜けた。全てのクラスのアンカーが走り終わると、順位が発表された。


 ちなみに柚香もちゃんと渉たちのクラスとして出てます。

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