#44:千佳姉
リアル終わったんで投稿します。
今回はちょっと少ないかも。
千佳姉回になります。
「渉、お姉ちゃんと一緒に遊ばない?」
「うん、いいよ」
楓と桜は2人で遊びに出かけ、碧も友達と遊ぶ約束があったため、家にはメイドさんたちと千佳姉しかいない。リビングで千佳姉に遊ぼうと言われたので、一緒に遊ぶことにした。
「それで何をするの?」
「うーん、お姉ちゃんは渉と一緒に居れればいいんだけど……そうねぇ、ベットで一緒に愛し合うとかじゃ?」
「駄目。流石に俺たちにはまだ早いから」
「そう……残念ねぇ」
それに――初めては楓か桜とするんじゃないだろうか。と出会う前だったら確実に楓を選んでたんだろうけど。
「あー、誰か別の人のこと考えてるなぁ?」
「ん?ああ、まぁ」
「ちぇー。じゃあそれは諦めるとして、折角だからお姉ちゃんの部屋に来ない?一緒に布団でゴロゴロしよ」
「分かった」
まぁそれくらいなら、いいか。千佳姉は割と布団でゴロゴロしている時間が多い気がするんだけど、駄目人間にならないでほしい。大学出の様子とかは全くわからないから何とも言えないんだけどね。
千佳姉の部屋はしっかりと片付けられており、物が散らかっている様子は見受けられなかった。というか多分、普段の俺の部屋よりもきれいな気がする。
「渉、コッチに来てお姉さんと一緒にゴロゴロしよ?」
千佳姉に誘われて、俺は自信の心臓の高鳴りを感じつつも、ゆっくりとベットに入った。やべぇ緊張する。千佳姉はこんな性格だけども、普通に美人で元の世界であればモデルと行ってもおかしくないレベルだ。
対して俺は、楓以外の女子とあまり話した経験もなく、ましてや同じベットはおろか部屋にすら誘われたこともないので、こっちの世界に来て少し経つ今でも緊張は感じる。誘われたことがないつっても、普通好きでもない異性を誘うなんてこと前の世界じゃほぼないしなぁ。そういう考えが、今でも残ってるからなぁ。
「よーしよし渉可愛いわよぉ」
「ちょっと、千佳姉。恥ずかしい」
「いいじゃない。渉は私のたった一人の可愛い弟なのよ?」
俺はベットで横になりながら、千佳姉に頭を撫でられていた。さらに彼女は俺の顔に、柔らかい二つのものに押し当ててきた。ううぅ、これは流石に恥ずかしい。
「ちょっ……!?」
俺は何とか顔だけ少し距離を取った。そして千佳姉に止めるように言おうとしたのだが、彼女の表情を見て言うのを辞めた。彼女は優しく俺の頭を、それは滅茶苦茶幸せそうに撫でていたのだ。この世界の人は、男性との接触は兄弟姉妹であっても少ない。今の俺はともかく、転移する前の体の持ち主もそれは同じだった。転移後だって、彼女と恋人になったとはいえ、二人きりで甘える時間っていうのは少なかったかもしれない。
千佳姉は俺にとっての本当のお姉ちゃんではない。けど、お姉ちゃんが居たらこうやって甘えてたのかなぁ。そんなことを思いながら、俺は彼女の胸に顔を寄せた。
「ふふふ、渉は全く甘えん坊さんなんだから」
「千佳姉が甘えさせてるんでしょ」
「そうだねぇ。まぁ良いじゃない私は甘えてくれて嬉しいよ?お姉ちゃんって可愛い声で甘えてくる弟兼恋人がいるからねぇ」
高校生になって誰かに甘やかされるっていうのは少し恥ずかしかったけれど、千佳姉のお姉さん的な一面が見れて楽しかった。ちなみに、この後家に帰ってきた碧が部屋をのぞき、この光景を見てしまったことにより、碧を俺が甘やかすことになり、その話が楓にも伝わり、2人の頭を撫でたりと甘やかすことになったのはまた別の話だ。