#42:柚香と学校生活
間に合ったぁ。柚香と桜との学校生活の話です。次回は楓回になると思います。
「んん、えっと」
「おはようございます、渉様!」
「おはようございますお兄様」
「お、おうおはよう」
朝目が覚めると、朝聞きなれない声が聞こえてきた。声のする方向を見るとそこには柚香と美柚が笑顔で俺たちが眠っていたベットに座っていた。
「渉様の寝顔とても可愛かったです」
「お兄様可愛かったです」
「なっ!?……見てたのか?」
寝顔を見られてしまっていたのか。別に嫌ってわけじゃないんだけど、なんかとても恥ずかしいな。
「そうそう渉の寝顔は可愛いからね」
「桜起きてたのか?」
「うん、ちゃんと寝たふりしてたよ」
下をペロッと出してごめんと言って謝ってきた。これで許しちゃう辺り、俺はサクラには弱いのかもしれない。
柚香の家で朝ごはんを頂いた後、俺たちは学校へ向かった。今日も普通に学校はあるからな。ちなみに今日は朝家に寄ったりはしない。今日使う教科書は事前に五月にお願いしておいた。何かご褒美を請求されたんだけど、何を請求されるのかは分からないんだけど、ヘビーじゃない奴を頼みたいところだ。
「それでなんで腕組んでいるんだ?」
「えー一夜を共にした仲じゃないですか?だからこうしててもおかしくないかなぁと?ですよね桜様」
「んーおかしいと思うけど……柚香だしいいんじゃない?」
「ほら、桜様のお許しを得ましたよ!」
「よ、良かった」
柚香よ、桜はどちらかと言えば少し呆れた表情をしているんだけど。王女とはいえ、会ったその日に自室に異性を連れ込んでいるのだからまぁそうなってしまうのも分かるのだが。とは言っても別に桜は柚香のことが嫌いという訳ではなく昨日だけでも、もの凄く仲良くなっていた。
「おはよう、あなたが柚香さんね。私は白川 楓よ。渉の初めての彼女よ。よろしくね」
「あ、渉様から話はお聞きしています。宜しくお願いします」
「渉様ねぇ。随分昨日は楽しんだみたいじゃない?渉も桜も」
「うーん、まぁ楽しかったけど、夜は何も出来なかったよ」
「そう、ならいいのよ」
しばらくすると、楓は自分の教室へと帰って行ってしまった。少し経った後に、五月と委員長がやって来た。
「聞いたわよ。また新しい女の子を引っかけているんですってね。そうよね、私みたいな地味で真面目でつまらない女なんていらないものね」
「いや、そんなことはないぞ。委員長も俺の大事な友達だからな」
「ふぇっ!?……またそうやって口説くのね。騙されないわよ」
「委員長さん照れていらっしゃいますわね」
「照れてないわよ」
「照れるならツンツンしなければいいのに」
柚香の言葉に否定したものの、五月の言葉には反論すらせずに、そっぽを向いてしまっていた。その時の委員長の頬は誰が見ても分かる程のピンク色に染まっていた。
柚香は今日から、少しの間この学校に通うらしい。特別に俺の後ろに席を用意されて、彼女は嬉しそうにそこに座った。授業を真面目に受けていると時々、後ろから背中を触られる。それがまたくすぐったいのだ。結局その日は段々とエスカレートした柚香のせいで、授業に集中できずあっという間に一日が終わってしまった。
「渉はやっぱり本当にモテるのね」
「そうか?」
「うんうんモテると思うよー。格好いいし、優しいし」
由衣が乗ってきた。まぁこの世界の一般的な男性に比べたらそうなのかもしれないけどさ。
「全てが完璧だと思いますよ。渉君が幼馴染でそして、彼氏になってくれて私は幸せです」
「……五月」
俺の幼馴染兼彼女が可愛すぎる件。
「なんか私最近のけ者にされているような?忘れられているような気がするのは気のせいかしら?」
「そんなことないと思うよ、楓ちゃん……多分」
「あ、今多分つけたわね。どういうことかしら?」
「ごめんごめん楓。家に帰ったら何でも言うこと聞くからさ」
「何でも?そうねぇじゃあそれで許してあげるわ。何をしてもらおうかしら」
嬉しそうに何かを考える桜。あ、これは滅茶苦茶たくさんお願いされるやつかも。1つだけというのを条件に居れるの忘れてた。でも、多分聞いてくれなさそうだしなぁ。これから何をやらされるんだろうか。
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