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幼馴染と行くあべこべ世界  作者: ミルフィーユ
第一章:学校編
40/124

#40:天王寺 美柚

前回言っていた新キャラ登場です!ちなみに前回言っていたもう一人のキャラは優君の彼女枠です。入れるかどうかは不明です。


 柚香にじっと見つめられた後、気恥ずかしさから俺は目線を反らした。しばらくお互いが無言な状態が続いた。


 やがて彼女が俺を家に招待したいと言ってきた。この世界の女の人は獣のような人物が多いとは聞いていたし、一人で出歩くなとは言われているんだけど、どうするべきか。


「渉君一緒に帰ろって……あれ?先約があった?」

「柚香……その、桜も一緒に連れて行ってもいいか?」

「もちろんです」

「あれ、なんか話が進んでいる?」

「とりあえず、楓と五月にメールだけ送っておくか」


俺は楓と五月の二人にメールを送ると、未だこれから俺が何処に行くか分かっていない桜の手を取って、彼女と一緒に柚香の車に乗った。


「それにしても柚香ちゃんの車豪華だね」

「そうですか?渉様の車も大きいと思いますけど」

「そりゃあそうだろうけど、こっちもなかなかなものだよね、渉君」

「そうだな」


 さすがは王族と言った感じだろうか。車だけでも大きい。しかし、それに張り合うだけの車を持つ俺の家はどうなっているんだろうか。車での移動中は、柚香に俺たちが学校について聞かれて説明したり、俺たちの家で何をしているかなどを聞かれた。


 十分くらい移動すると、大きな建物が見えてきた。発展した都市に、大きくどっしりと構えていると言った感じだろうか。とにかく、大きい。わかってはいたことだが、俺の家の何十倍もある。


 車から降りると、たくさんの使用人が俺たちのことを出迎えてくれた。平民風情がとか言われるんじゃないかと思っていたけど、どうやらそんなことはなかった。




 俺たちはお城の外を歩いていた。中庭と呼ばれている場所なのだろうが、敷地面積がとにかく大きく、庭園と言う言葉が似合っているだろう。その庭園を歩いていた俺たちは歩いていた。いや、本当に広いなここ。


 十分近く歩いているとやがてお城に入り口部分まで来た。するとそこには、銀髪の幼い少女が立っていた。俺たち――柚香を見つけると走ってきて彼女の胸に飛び込んだ。


「お帰りなさい、お姉様!」

「ただいま美柚」


 美幼女が美少女に抱き付いている光景。見ていて目が癒される。そんなことを思っていると、柚香がすぐにハッとした表情になり俺の方を見てきた。

「紹介が遅れました。彼女は妹の美柚(みゆ)で、小学校六年生です」

「あれ、格好いい人がいる?」

「俺は白川 渉。柚香のクラスメイトだよ」

「私は渉の彼女の桃井 桜だよ。美柚ちゃんよろしく」


 俺たちは美柚ちゃんに挨拶をした。彼女に握手を求めると心良く応じてくれた。そして彼女は俺のことをじっと見つめてきた後、柚香の方を見た。


「お兄様とお姉様は結婚するの?」

「ちょっ、美柚!?」


 美柚ちゃんがそう言うと、柚香は凄く慌てふためいていた。俺は彼女の方を向いて言った。


「今はまだ出会ってすぐだから、友達かな。けど、お互いが仲良くなって一生を共にしたいって思ったら俺はその人に結婚してほしいって頼むかな」

「じゃあ、私もお兄様と結婚できるってことですね!?」

「ちょっと、美柚。いい加減にしなさい」

「うん、そうだね」

「本当に!?じゃあ私大きくなってお兄様をメロメロにしてみせます!」

「楽しみに待ってるよ」

「はい!」


 そう言うと美柚ちゃんは笑顔で、お城の中へと入って行ってしまった。というか今とんでもない約束をしてしまったような気がするんだけど。しかも恥ずかしいことも言っちゃったし。


「渉君は小さい子の方が好きなんだね?」

「いや、そういう訳じゃないぞ?」


 桜さん、ジト目で言われると割と本気で怖いんですけど。 


「渉様。美柚よりも先に私を好きって言わせて見せますわ」

「あ、ああ。頑張って」


 妹である美柚が俺に告白のようなものをした影響か、彼女の中にあったセーブのようなものがなくなったのだろうか。彼女が俺の恋人たちと同じくらい近い距離で腕を組み体を預けてきた。ちなみに、逆側の腕にも負けじと桜が抱き付いてきた。そんな二人とともに、俺たちは柚香の家――お城へとお邪魔した。


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