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幼馴染と行くあべこべ世界  作者: ミルフィーユ
第一章:学校編
39/124

#39:天王寺柚香

Twitterでちらっと呟いた王女キャラ登場です!

ちなみに新キャラについてはあと一人確定で、現時点での構想段階ではもう一人考えています。これからも増えるかもしれませんが(-_-;)

 毎日とまでは行かなかったらしいのだが、それでも3日の内2日くらいは学校に来れるようになったとのことだ。優みたいな気楽に何でも話せる同性がいるとだいぶ楽なんだよな。学校に行く一つの楽しみとして、優と会う時間と言うのも含まれている。


 今日は優は学校には来ないそうだ。彼はまだ通院しているため、病院に行かなければならないそうだ。彼が居ない日はまぁ、俺と優に関するうわさを女子生徒たちが広めないから楽ではあるんだけど。


 今朝は学校に用事があるからと楓が先に行ってしまった為、俺は桜と五月の2人と歩いていた。2人とも俺の両腕に抱き付いてきている。桜は全体重をかけようとしているみたいで抱きつくのに抵抗はなさそうだが、五月は抱き付いている間もビクビクと震えている。恥ずかしいんだろうな。彼女の頭を撫でて落ち着かせようとしたのだが、もう片方の腕は桜の腕に抱きしめられているので動かすことは出来ない。俺は諦めて2人と歩くことにした。




 学校に近づいた時に2人はずかしいからということで腕に抱きつくのを止めて貰った。五月は不満そうにしていたが、桜は「仕方ないなぁ〜」と言うとすんなりと腕を離してくれた。


「あれ、なんか騒がしくないですか?」

「ホントだ、何やってるんだろう?渉君より有名人が来てたりして」

「いや、俺は別に有名人じゃないと思うけど」


 俺たちはそんなことを言いながら校門に入った。するとそこには1人の女性生徒が立っていた。銀色に輝き、腰にかかるぐらいまでのサラっとした髪を持ち、顔は整っている。しかし、彼女の着てる服はこの学校の物ではない。とするならば他校生だろうか?凄く美しい人だなぁ。そう思っていると彼女と目があった。彼女はニコッと笑った。


「初めまして、貴方が白川 渉様ですか?」

「は、はいそうですけど」


 俺の名前を知っているのか?しかし俺には彼女が誰だかは分からない。五月と桜は驚いたような表情をしていた。


「あ、申し遅れました。私は天王寺 柚香と申しますわ。既にお知りになられているかもしれませんが、一応この国の第一王女にあたります。」


 ん、第一王女?あれ、そもそもこの国って王家が存在するんだ。ってことは目の前にいる彼女はとても偉い人ってことなのだろうか。


「えっと、天王寺様とお呼びすればよろしいでしょうか?」

「うふふ、それだと少々お堅くて嫌ですわ。私のことは柚香と呼び捨てになさってください」


 彼女はそう言うと、期待するかのように目を輝かせて俺のことを見つめてきた。ふいに、左腰を突かれたような感覚があった。その直後に桜が俺の耳に手を当ててきた。


「女の子、しかも王女様にあそこまで言わせてまさか断らないよね~?」


 にやにやと面白おかしそうな声でかつ、目の前にいる彼女に聞こえないような小声でそう言ってきた。こいつ、この状況を楽しんでやがるな。しかしここで逃げたら男が廃るってもんだろ。


「ゆ、柚香?」

「はい、渉様!」

「様!?いや……様は恥ずかしいから」

「宜しくお願いしますね、渉様!」

「渉君、おもしろいことになったね」


 桜はにやにやとしながらそう言った。


「そう言えば、柚香はどうしてここにいたんだ?」


 他校の制服を着ている彼女がこの時間にいることは本来であればおかしいことだろう。俺はそう思い彼女に聞いた。


「この学園の交流との交流という名目で視察を行っています」


 柚香はそう言ったのだが、視察って何を目的としてるんだろうか?


「本当にそれだけなんですか?」

「ふふふ、ばれてしまっては仕方ありませんね。この学校に王子様のような男子生徒がいると聞きつけてぜひお会いしたいと思ってこの学校に来たのですが……まさか初日にお会いできるなんて夢見たいです」


 今まで黙っていた五月が疑いの視線を柚香に向けると、柚香はそう言った。夢みたいか……有名どうこうの話はともかく、そう言ってもらえるのは素直にうれしい。


「私、結婚相手を探しているんです。母のように、作らないという選択肢もあるにはあるのですが、

 個人的に優しくてカッコいい人と付き合ってみたいんです」


 彼女は俺のことをじっと見つめてきた。


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