#35:結衣とハプニング
結衣のターンはまだまだ続きます!
「おおー、ここが由衣の家?」
「うん。渉の家ほど大きくはないけどねー?」
「ふふふ、狭い家だけどゆっくりしていってね?」
「お邪魔します」
由衣の家は、まぁ今の俺の家ほどではないにしても大きい方だろう。許嫁を探すとか言ってたし、実は由衣のお母さんは結構なお金持ちなのかもしれない。そんなことはどうでもいいんだけどね。
「それにしてもこのメンバーで集まるのって何か新鮮だな」
「だねー。私はよく楓と居るから、渉との直接的な接点はあまりなかったからかなー?」
「おそらくはそういうことでしょう」
そもそも由衣はクラスが違うしな。五月みたいに幼馴染と言ったものとは少し違うように思える。どちらかと言えば、楓の親友っていうのが一番納得いく。勿論俺の友達でもあるんだけどね。
「片付け終わったよー。2人とも上に来て」
由衣が部屋に戻って、少し片づけをしてきたらしい。由衣は俺と五月の腕をそれぞれ掴んで、部屋に案内してくれた。
「へぇ、結構色々あるんだな?」
「うーん、基本的に気に入ったものをおいてあるだけだけどねー」
「可愛らしい部屋だと思いますよ」
由衣の部屋はお人形に囲まれた部屋だった。熊とか動物系のものがほとんどだった。そのほかにも机やベットなどとまぁ一般的な高校生が住むって感じの部屋だった。今の部屋の感覚がおかしいので、なんとも言えないけど前世の俺の部屋くらいの大きさだ。
「うーんお母さんがいきなり呼ぶから、何をして遊ぶのかを考えてなかった。こんなことならもう少し考えておくべきだったよー」
「まぁ、あれは仕方と思いますよ」
「そうだな。急に誘われて俺もびっくりしたし」
「だよねー。ゲームでもする?」
ゲームかぁ。由衣の家には俺の家にないゲームがあるのかもしれない。でも最近ゲームしかしてないような気もするけどね。
「……やっぱり、やめとこー」
「由衣?」
由衣は適当に取ったゲームを取るとそう言った。どうしたのかと聞いても「何でもない」と言ってはぐらかされてしまった。男の子を攻略するゲーム――前世で言うところのギャルゲーがほとんどを占めていたなんてことは、俺には気づけなかった。
「そういえば、渉って誰と付き合ってるのー?」
ふと思ったのか由衣がそう聞いてきた。
「楓と桜、それから愛結先輩に光沙先輩の4人かなぁ」
「あれ?2人は付き合ってなかったのー?」
「私は使用人ですから」
五月は真面目な顔でそんなことを言っていた。あれ、貴方俺に告白してませんでしたっけ?でもこれ、絶対由衣に言っちゃいけないパターンだよね。その後由衣に彼女たちとはどうなのかとか根掘り葉掘り言わされることになった。
「すみません、では私は少しお手洗いに行ってきますね」
「おう、じゃあ俺は帰る準備しとく」
「私も手伝うー」
五月が居なくなって、由衣と2人きりになった。彼女ではない、むしろ楓の親友である彼女と2人きりの状況だ。準備を手伝ってくれてるんだけど、彼女の大きくて柔らかそうな胸がブルンブルンと動いている様子が視界の端に入ってしまう。
「触りたいのー?」
由衣もその視線に気づいたのか、ニヤニヤしながら俺に迫ってきた。断ったのだが徐々に距離を詰めてくる由衣。俺は後ろに下がったのだけど、後ろにはベットがあってこれ以上下がることは出来なかった。
「覚悟は良いー?……あっ」
由衣は何かに躓いたのか、急に俺に向かって倒れてきた。彼女を支えようとしたのだが、支えることは出来ずそのまま後ろに倒れてしまった。
「あっ」
両手に柔らかい感触がする。由衣の胸を両手がわしづかみにしている状態だった。しかも由衣が俺を押し倒しているように見える状況だ。
「何してるんですか!?」
そして、不幸なことにこのタイミングで五月が戻ってきてしまい、五月からお説教と羨ましいとかの愚痴をさんざんに言われた。お説教の最中に由衣の顔が赤くなっていたなんて、この時の俺には知る由もなかった。
前に試験的に作ったTwitter垢を使うことにしました。 https://twitter.com/UXE5nNuUmDFcXiP?s=09
更新情報などを載せていく予定なので良ければ是非チェックしてやってください。