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幼馴染と行くあべこべ世界  作者: ミルフィーユ
第一章:学校編
27/124

#27:姉妹の告白 渉の葛藤

楓たちに受け入れられた、桜と光沙……その一方で千佳と碧の姉妹は?

という話です。少し今までと比べると重い話になってます。


 最初一頓着あったものの、直ぐに桜も光沙も受け入れてくれた。初めてあった人といきなり付き合うことになったとかだったら、楓も反対していたらしいけど。まぁ当たり前と言えば当たり前か。男ってだけで近づいてくる人はこの世界にはたくさんいるしな。


「はぁ、またお兄ちゃんが女の人連れてきちゃった……もう」


 隅で拗ねている碧が可愛くって、頭を撫でてあげた。彼女は若干驚いたものの、コチラを見て撫でたのが俺と分かると照れてしまったが、その表情は嬉しそうだった。


「それじゃあ私たちは今後のことについて話し合ってくるから、渉は碧ちゃんの相手をしてあげなさい」

「じゃあまた後でね、碧ちゃん!」

「はい」


 楓がそう言うと、碧は若干寂しそうに桜のことを見た。彼女はその視線に気づいたのか、碧に何かを言うと碧は嬉しそうな表情を浮かべた。それにしてもこれからのことって何を話すんだろう。


「え、私も行くのー?」


 由衣は自分も行くとは思っていなかったらしく、少々驚きながらも楓についていった。


「お兄ちゃんはもっと姉妹を大切にするべきです」

「そうよ、全く」


 すると、碧がいきなりそんなことを言い始めた。いつの間にかリビングに来ていた千佳姉同じ意見だったみたいだ。


「お兄ちゃん、千佳お姉ちゃん私の部屋で遊ぼう?」

「いいよ、渉も来るでしょ?」


 え、碧の部屋。まさかこんなに可愛い妹の部屋に入ることが出来るだと!?これは興味が沸いていた。


「よし、じゃあ一緒に行こっ」


 碧はそう言うと俺の手を引っ張って、部屋まで案内してくれた。ちなみに反対側の手は千佳姉に握られていた。部屋に入ると先にベットに座っててと言われたので、心臓を鳴らしながら座った。碧はというと、部屋の鍵を閉めた。え?実はこれまずいやつなのか?この世界で密室は危険だっていうけど。


「これで邪魔が入らないね、お兄ちゃん、千佳お姉ちゃん」

 いや、でも碧が相手ならって何を考えてるんだ俺は。千佳姉も楓や愛結先輩や光沙先輩に負けず劣らずの美人だし。


「お兄ちゃん大好き!」

「私も渉のこと大好き」


 そう言うと2人は俺に抱き付いてきた。


「お兄ちゃん……あのね、私お兄ちゃんと一生一緒に居たい。昔のお兄ちゃんも好きだったけど、それはあくまで男としてだけ。今のお兄ちゃんは男としても人としても大好き!」


 碧……でも俺にとって碧は可愛い妹で……


「私もそうだね、渉はとっても可愛いんだ。それでいてカッコよさもある。でもね、誰にでも優しく出来るその性格に私は惹かれたの。大事な大事な弟。渉が前にいた世界では姉妹間の恋愛は普通ではないってことは分かっている。どうしても無理なら…諦め……るから、考えてみてほしい」


 千佳姉はしっかりと俺の目を見つめながらそう言った。最後の方は少しだけ悲しそうな表情だったな。碧も不安そうにそれを見つめている。俺は2人のことをどう思っているだろう。この世界では楓とは双子だけど、兄妹である。碧や千佳姉も同じ兄妹や姉弟の関係ではある。たった一つ彼女と違うのは前世からお互いに好きあっていた。ただこれだけである。しかし、この差はとても大きいものなんだなと思った。


 五月に2人と同じようなことを言われたときに素直に言えなかったのは幼なじみだからだろうか?じゃあ、幼馴染でも何でもない愛結先輩と光沙先輩を受け入れたのはなんでだ?


「お兄ちゃん?」

「な、なんでもない」


 光沙先輩には押し切られたという感じもするが好きであるのは違いない。目の前にいる2人のことも俺は好きだ。だけど俺には分からない。この好きがlikeかloveか――家族として好きなのか、一人の女性として好きなのかが。


「さて重い話はここまで、渉今から遊ぼう」

「お兄ちゃんが悩んでいるんなら、私に夢中にしてみせるんだから」

「楽しみにしてるよ」

 

 今はまだその答えは出せない。けれど、五月のこともそうだけど、ずっとこの関係を続けるというのもまた難しい話だ。だから碧の発言に対して、こう言った。けれどこの発言をしたことによってちょっと後悔することになるのはまた先の話であった。


千佳と碧この2人の行く末はいかに?

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