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幼馴染と行くあべこべ世界  作者: ミルフィーユ
第一章:学校編
23/124

#23:ライブ会場

23話目、ライブ会場編です。

ライブ行ったことないので、想像で書いてみたんですけど、雰囲気が伝えられていますように。

次回、新キャラ登場します。


 それから小白井先輩は俺に色々なことを話してくれた。この世界のことはまだあまり知らないので、意見を求められたりすると困ってしまうのだが、俺が困った感じを出すと察して全て説明してくれた。愛結先輩から俺が記憶喪失になった件を聞いたらしく、そのことをかなり心配してくれているようだった。


 好きな場所や好きな物を話している時の彼女はとても可愛らしい。若干の幼さすら感じるレベルにだ。今の彼女の様子からは、学校で喧嘩になっていたあの表情は微塵も感じることは出来ない。


「でも本当に俺とで良かったんですか?愛結先輩と行った方が良かったんじゃ?」


 俺は今日一番気になっていたことを聞いた。彼女はライブを楽しみにしていたし、愛結先輩と行きたかったと思ったんだけどな。


「愛結ともっと仲良くなるにはまず周辺の人と仲良くならなくちゃね」


 うーんそういうものなのか。だとするならば、俺ではなくたって良かったんじゃないだろうか。


「それに個人的に私は貴方に興味があるからね。確かに出会いは最悪だったし、申し訳ない事したって思っているけど。でも今は貴方のこと大事な後輩……ううん大事な人だと思ってるよ」

「……先輩」

 

 彼女ははっきりと強い口調でそう言った。彼女の表情は真剣で嘘は一切ついていない。彼女の本音なんだろうな。


「それでね、今日は私のこと光沙って呼んでほしいな?」

「分かりました、光沙先輩」

「むぅ、まあ妥協ラインとしてあげる」


 そう言うと彼女は俺の左手を握ってきた。彼女は若干顔を赤くするとそっぽを向いてしまった。それからしばらく、彼女に声をかけても反応してくれることはなかった。




「お嬢様目的地に到着いたしました」

「ご苦労様、ライブ終わるまで自由にしてていいわよ」

「分かりました」

「それじゃ行こっ、渉君」


 運転手の人にそう言うと、光沙先輩は指と指を絡ませるように手の握り方を変えてきた。しかし、光沙先輩は金髪でモテるんだろうなって思った。先程から「お姉さま」と呼ぶ声が聞こえてきた。勿論ほとんどの人が俺の方に注目しているんだけどね。


 光沙先輩は更に俺との距離を縮めてきた。お互いの腕と腕が密着したことで、俺も光沙先輩も頬を赤らめた。


「ついに来れたわ、ライブ会場に!」

「良かったですね」

「それにしても一瞬で入れて嬉しかった。渉さまさまだね」


 入り口はかなり混んでいて、チケットを持っていても入るのに時間がかかるのだが俺がいたため特別に先に入ることが出来た。


「今思うと、この席が当たったのも奇跡だよね」

「そうですね」


 席はもともと愛結先輩がとっていたものと変わらないのだが、まさか最前列の真ん中のブロックだとは思ってもみなかった。


「もしかしたら、目が合うかもしれないわね」

「あっても向こうは気にしないと思いますよ」


 確かに目が合うということはあるかもしれないんだけどね。それでも向こうはプロなわけだし、大丈夫だよな。俺がいるからずっと見るなんてされたら困ってしまうんだけど。やべぇ自分で言ってて不安になってきた。


「SA•KU•RAと私は友達になれるかもしれないんだよ⁉」

「いや、厳しいと思いますよ」

「辛辣⁉」


 いや、それは厳しいかな。というかほぼ無理だ。一番アイドルに近づけるのは握手会の時だ。しかし、握手会などでの過度の接触はこの世界でもおそらくは駄目だろう。


「あれ、男の人じゃない?」

「後ろ姿だけど格好いいわ」

「あんたちょっと声かけて来なさいよ」


 後ろからそんな声が聞こえてきた。気が付くと会場は大分賑やかなものになっていた。真ん中のブロックだが、その中での席は右端だったので隣の人がいつのまにかいたことに気づかなかった。若干右に目をやると、右の席に座っている人が俺の顔を凝視していた。若干怖いものがある。通路があって良かった。


「もう結構たくさんの人が入ってきているんですね」

「そりゃあ当然だよ、なんたってSA•KU•RAのライブだもの」


 光沙先輩がそう言うと開始を告げるアナウンスがかかった。そしてそのアナウンスが終わると同時にピンク色の髪の、女子が舞台の脇から出てきた。



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