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幼馴染と行くあべこべ世界  作者: ミルフィーユ
第一章:学校編
20/124

#20:小白井先輩

全話の続きです。学校で起きた喧嘩を愛結先輩が止めに行った話です。


「また貴方ですか。いつもいつも校内の風紀を乱してばっかりで、いい加減にしなさい!」

「ああん、うるせーんだよっ!お前みたいな生意気な野郎でも俺が可愛がってやるって言ってんだ。感謝しろよ?」


 男子生徒と金髪の女性が喧嘩をしている。2人が大きな声を出しているため、会話の内容が全て聞こえる。そんなことよりも問題は愛結先輩があっちに行ったことだ。しかも、あの2人のことを知っているからこそ、彼女は止めに行こうとしていた。


「九条君いい加減にしなさい」

「ああ?おお、愛結ちゃんじゃねえか」


 そう言うと彼は愛結先輩のことを舐め回すような視線でジロジロと見ていた。くっ、こいつ。


「愛結ちゃんも俺の物になってくれよ。最高な俺の相手はにお前たちは不破しいからな」

「愛結にお前は相応しくない。お前なんかには渡さないし、私もお前の物になる気はない」


 九条と呼ばれた男がそう言うと、彼女はそう言った。しかし彼の表情は冷静で落ち着いていた。


「私はもう一生を誓った相手が居るからな。九条君、君の気持ちに答える気はない」


 そう言うと、愛結先輩は振り返って俺の頬にキスをした。


「ああ?何だてめえは」

「俺は愛結先輩の彼氏だ!」


 俺は力強くそう言い放った。しかし九条という男からは顔を真っ赤にした。そして彼と先程から言い争っていた女子生徒も睨むような目でこちらを見てきた。


「ああ?生意気な一年だな。俺を差し置いてそんなことが許されると思っているのか?まぁ、いい。俺に逆らったらどうなるか教えてやるよ」


 そう言うと彼は校舎の方へ入って行った。居なくなると女性の方はほっと溜め息を吐いたのだが、直ぐにコチラを睨むような目線で見てきた。


「光沙ちゃん大丈夫だった?」

「ううん、私は平気だよ。愛結が無事で本当に良かった」

「それは私のセリフだよ」


 2人は結構仲がいいみたいだ。愛結先輩は彼女に抱き着いて頭をポンと優しく手を当てていた。

「それで愛結ちゃん、大丈夫なの⁉あの男に何かされたなら言ってね。どうせ、生徒会長だと知って取り繕って脅されたんでしょ⁉」

「光沙、大丈夫だよ、彼は君が思っているような人間じゃない」

「男ってすぐ権力だのどうだので決めつけるから、気に入らないことがあったら、周りの人間を使ってでも物にしようとしてくるし」


 光沙さんが俺の方をキリっと睨むような目つきで見てきた。


「貴方もそうなんでしょ。貴方なんかに愛結は渡さない」

「俺はそんなつもりなんか……」

「いい加減にしてくれないか、光沙」


 反論しようとしても、彼女の怖い表情から口を動かすことが出来ない。俺が怯えていると、愛結先輩が怒った。


「愛結!?」

「愛結先輩⁉」


 俺も彼女も驚いた。普段めったに怒ったりすることなんてない愛結先輩が怒った。彼女も愛結先輩が怒ったことに対してとても驚いていた。


「私の好きな人の悪口を言わないでくれ……親友である光沙と私の大好きな渉がこれ以上争っているところは見たくないんだ」


 愛結先輩は悲しそうな表情でそう言った。


「ごめんなさい、ついかっとなって。一応自己紹介しておくわね、私の名前は 小白井 光沙。愛結の一番の親友よ」

「俺は一条 渉って言います。愛結先輩の彼氏です」

「ふーん、礼儀はしっかりしているのね。でも男なんて誰も一緒。愛結の前で直ぐにその本性を暴いてやるわ」

「ごめんね渉、今日は光沙と先に行くよ」

「分かりました」


 そう言うと愛結先輩は小白井先輩を連れて先に校舎に入って行ってしまった。


「渉、大丈夫ー?」

「もう先に行かないでよ」

「心配しました」


 すると後ろから由衣、楓、五月の3人が俺を呼んだ。3人とも心配してくれたみたいだ。


「俺は大丈夫だ、心配かけてごめんね」


 俺は3人に優しく言った。


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