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幼馴染と行くあべこべ世界  作者: ミルフィーユ
第一章:学校編
19/124

#19:不穏

タイトルあまりいいの思いつかなかった……

「おはよう渉って、何やってるのよ!」


 朝一番、楓の叫び声によって起こされた。


「おはよう」

「おはようじゃないわよ。渉もしかしてさ……」


 楓は朝から何を怒こっているんだろう。目をこすりながら起きようとしたのだが力が入らない。それに腕を動かそうとしても動く気配がない。ふと、気になって右を見ると俺の腕を五月が大事そうに掴みながら寝ていた。仕方ないな、左から体を起こすかって……ええ?左腕には千佳姉が五月とほぼ同じ体制で寝ていた。さらに驚いたのは碧が俺の上に乗って寝ていたことだ。全然気づかなかった。それにしても恥ずかしいけど、みんな俺のことを思っていてくれてるんだな。


「わーたーるー?」

「ひいっ」

「なーに、にやにやしてんのよ?そんなに楽しかったの、みんなで一緒に寝たのは」


 やばい楓さんが怒っていらっしゃる。


「うーん……おはよう渉」

「おはよう、千佳姉」

「おはようございます」


 楓に問い詰められていると千佳姉が起きた。続けて五月も起きた。


「それでどうしてあなたたちが一緒に寝ているのかしら?」

「えっとそれは……」


 五月は罰が悪そうだった。何て答えるべきなんだろうか。そう考えていたら、千佳姉が口を開いた。


「実はだな」




「ふーんそんなことがあっあのね。」


 千佳姉は昨日あったことを話した。俺が寝てしまったあと俺の部屋に運んでそのまま寝たなど、一部俺の知らないこともあったが、その他はすべて本当のことを話していた。


「じゃあ、今日は私が渉に甘える番ね、はい渉あーん」


 そう言うと楓はスクランブルエッグを食べさせようとしてきた。余裕そうに振る舞ってはいるものの若干不安そうな目をしていた。


「………おいしいよ、ありがとね楓」

「……うん」


 楓は照れながらも一瞬喜ぶとすぐに余裕のあるいつもの表情に戻った。前世でいう学校にいるときにつけていた仮面の――偽物の性格というやつだ。


「渉、そろそろ行くわよ。五月もそろそろ準備できたんじゃないかしら?」


 五月は起きると、今日の学校の準備をするために一回彼女の家に帰った。いつも通り外での待ち合わせということになっている。外に出るとちょうど五月も出てきた。



「おはようございます」

「おはよう五月さん」

「お、おはよう五月」


 昨日あんなことがあったけれど五月はあまり気にしている様子はなかった。俺の気にしすぎだろうか。


「やあ、おはよう」

「みんな、おっはー」


 普段通り登校していると学校までもう少しってところで声をかけられた。振り返るとそこには俺の彼女で生徒会長でもある超絶美人の愛結先輩と楓の親友である由衣がいた。


「おはよ、2人が一緒にいるなんて珍しいじゃん」

「あはは、たまたま登校中に会ってね。せっかくだから一緒に登校しようということになったんだよ」

「そうそう、いきなり会長さんに声をかけられたからびっくりしたよー」


 由衣が少し大げさに驚いたポーズをとっていた。その姿が可愛らしく俺はつい笑ってしまった。しかし笑ったのは俺だけではなかったようで、愛結先輩や五月だけではなく楓も笑っていた。俺たちが笑ったのが気に食わなかったのか、由衣は頬を膨らませて拗ねていた。


「むぅ、みんなして笑わなくたっていいだろー」

「ごめんなさい、あまりにも貴方が可愛らしくて……ね?」

「まぁ、そういうことなら」


 楓に可愛いと言われるとすぐにいつもの表情に戻った。


「そうそう、由衣。会長と呼ぶのは控えてくれないか?他人行儀みたいだから」

「あ、そういえばそうだった。ごめんね愛結先輩」

「ふふっ、気にするな」


 学校に着き、校門を抜けて、校舎に入ろうというところで何やら揉め事が起きているようだった。


「いいかげん俺のものになれよ。気に食わんな女のくせに」


 一人の男子生徒が女子生徒に向かって何かを叫んでいる感じだった。男子生徒の後ろには4人の女子生徒がいる。おそらく取り巻きみたいな奴らだろう。


「あいつ、またっ」

「愛結先輩!?」


 そう言うと愛結先輩は走っていってしまった。


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