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幼馴染と行くあべこべ世界  作者: ミルフィーユ
第一章:学校編
16/124

#16:遊園地

遊園地の話です。次回も続くと思います。


「これがこの世界の遊園地か~」

「渉、そういうことを言わないの」

「あ、悪い」


 俺たちは、遊園地に来ていた。愛結先輩と五月と由衣の3人がチケットを取りに行ってくれた。こういうことは、男である俺がしようと思っていたのだが、行くと行って聞かなかったので彼女たちにお願いした。そのため、今は楓と2人きりだ。


「それにしても本当に慣れてないのね、この視線に」

「当たり前だろ、楓もこんな感じだったのか?」

「そうね……確かに周囲から視線を感じることもあったけど、流石にこれほどではなかったわね。まるで獲物を狙う獣のような視線を至る所から感じられるし、よく耐えてるわね」


 俺は楓と手を繋いでいるから多少の抑止力になっているのだろうけど、楓が今この場から離れたらと思うとゾッとする。


「チケット取ってきたよー!」

「お待たせしました」

「2人とも待たせてすまない」


 すると、3人組の女子が俺たちに近づいてくる。由衣と五月と愛結先輩だ。どうやらチケットが取れたらしい。


「みんな、ありがと」


 俺はそう言うと由衣の頭を優しくなでてあげた。


「由衣ちゃんばっかりずるいです!私も撫でてください」

「そうね、彼女である私も撫でるべきだわ」


 すると、五月と楓も撫でてほしいと言ってきた。これぐらいで喜んでくれるのならば、いつでもやってあがると言いたいところだけど、恥ずかしいのでそんなことは口にはしない。チラッと愛結先輩の方を向くと……うん、なんか凄い。めちゃくちゃ羨ましそうにコチラを見ていた。


「愛結先輩もします?」

「いいのか?」

「勿論ですよ」


 愛結先輩を優しく撫でてあげた。普段は凛々しい生徒会長だが、こういう時は一人の可愛い女の子なんだなと思う。


「ねー、そろそろ中に入ろーよ!」


 なかなか遊園地に入ろうとしない俺たちに痺れを切らしたのか、由衣が駄々を捏ね始めた。確かにいつまでもこんなことしてるわけにも行かないしな。


「じゃあみんなそろそろ入ろ」

「うん!」


 俺がそう言うと由衣は満面の笑みを浮かべてそう言った。うん、可愛い。




「じゃあ最初は何する?」

 

 俺は皆に何したいか聞いた。俺は前世では遊園地なんて友達と行った記憶ないからな……それに彼女たちが何がしたいのかもよく分からない。


「じゃあジェットコースターにしようよ!」


 あ。ジェットコースターって確か。少し思い当たることがあったのでその人物の方を見た。そこには全身が小刻みに震えているのにも関わらず、顔だけ平気そうにしている楓さんがいた。


「楓、やっぱりジェットコースター嫌い直ってなかったのかよ」


 俺は他の3人がジェットコースターの方を夢中に眺めている間に、小さな声で楓に言った。


「そう簡単に直るわけないじゃない。体は変わっても心は変わってないんだから」


 それもそうか。前世で友達と行っていたりとか、こちらの世界で直ったとかいろいろ考えていたけど、後者はありえない話か。前者も遊園地には行かなかったから、直るわけないと言われた。 


「2人とも何を話してるんですか?」

「2人だけでいちゃつくなー」

「それはそうとそろそろ順番来るし、えっと、その……一緒に乗らないかい、渉君」


 愛結先輩が聞いてきた。表情は少し硬く、緊張している様子だった。


「いいよー五月ちゃんと私は後ろに乗るから!」

「え⁉由衣ちゃん。私も渉君と……ふむふむ、分かりました。2人で乗ります」


 由衣が五月と2人で乗ると言った。五月は反対していたようだったのだが、由衣に何かを唆されたのか手のひらを返した。由衣は一体何を言ったのだろうか。俺は真ん中に座り、楓が右側、愛結先輩は左側に座った。ちなみに俺の後ろが五月で、右後ろが由衣だ。


「うう……いよいよ始まるのね」

「どんぐらい早く動くんだろうな」

「渉君、怖かったら私の方に体を預けても構わないんだぞ?」

「いや、遠慮しときます」


 流石に愛結先輩とこれ以上近づいたら心臓がおかしくなりそうだ。それにジェットコースター中に動こうとは思わない、だって俺も楓ほどじゃないけど怖いし。


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