#15:愛結先輩と雑談
いい感じのサブタイトル思いつかなかった(-_-)
内容は前回に引き続きって感じです。
「渉君大丈夫かい?」
「渉大丈夫」
う、ん。ここは何処だ。確か色々あって楓の制裁を喰らったんだっけか。あれ、本当にそうだっけか。まぁ、細かいことは気にしなくていいか。五月も由衣も目に涙を浮かべながらコチラを見ていた。俺のことを心配していてくれたのがよく分かった。愛結先輩は少し怖がっている様子だ。
「愛結先輩、どうしたんですか?」
「いや、楓になにかするのかと思ってな。変に止めるわけじゃないのだが、楓を許してやってくれ」
「はい?許すも何も特に怒ってませんよ」
「本当なのか?良かった……君は本当に優しいんだな」
愛結先輩は肩の力が抜けたのか先程までの怯えたような表情ではなくなった。
「楓も気を付けたほうがいいよ?」
「渉以外にはしませんから」
「それならば、まぁいいのか?」
何か俺のしらないところで話が勝手に進んでいるのだが。それにしてもどうして愛結先輩は怯えていたんだろう。五月や由衣みたいに心配してくれてはいたのだろうけど、俺が意識を取り戻さないといった、怯え方でもないように思えた。
「良かったよぉぉ、渉君の意識が戻って」
「本当によかったよー。楓人を……特に渉君を叩いちゃダメ」
「……はい」
由衣に叱られて、楓は珍しく落ち込んでいた。こういう時は何て声をかければいいのだろうか。俺が原因でもあるしな、あまり余計なことを言わないほうがいいだろうか。
「ふふ、やっぱり君たちは仲がいいんだな」
「はい!渉君は自慢の幼馴染です!」
「ちょっ、五月⁉」
愛結先輩が突然そんなことを言った。すると五月が突然俺に抱きつきながら、笑顔でそう言った。普段割と大人しい五月が急に大胆なことをするものだから凄く驚いた。
「最初に会う男の人が君だったら、こんなことになってなかったのかな……」
「彼女?」
「すまない、コッチの話しだ。気にしないでくれ」
愛結先輩が突然何かを小声で言った。その中で、こんなことという言葉が引っかかったので、愛結先輩に聞いてみたのだが、はぐらかされてしまった。これ以上深くは聞かないほうがいいだろう。
「それで愛結先輩、家には慣れましたか?」
「そうだな。まだ少し緊張はするけど、これぐらいなら大丈夫だ。気を利かせてくれてありがとう」
「いえ」
俺は少し恥じらいながら、そう言った会長にドキッとしてしまい、思わず顔を背けた。五月や由衣も何故か何も話さず、静寂が訪れた。何を話そうにも決まずくてなかなか話せない。
「もうこんな時間。愛結先輩帰りは大丈夫なんですか?」
先程まで黙っていた楓が時計を見ると、慌てて会長に言った。
「そうだな……そろそろ帰るとするよ」
愛結先輩はそう言うと、帰る準備をしていた。コートを来て部屋を出ようとしたときにふと何かを思い出したような顔をした。
「渉君、今度遊園地に行かないか?」
「遊園地ですか?」
「遊園地行きたーい!」
「ちょっと……由衣ちゃん。私たちが行ったらお邪魔なんじゃないかな?」
遊園地か、この世界に来てからはおろか、前の世界でもしばらく行ってなかったなぁ。由衣はめちゃくちゃ行きたそうにしているのだが、五月は遠慮しているっぽいな。どうしたらいいものだろうか、そう思って楓の方を見た。
「無理を強いるつもりはないよ。嫌ならば断ってくれて構わない」
「……いえ、私たちも行っていいなら構いません」
楓さん、実は遊園地とかに興味あったのかな。由衣は大はしゃぎしていた。五月は「私お邪魔じゃないかな」とか「私は行ってはいけない」などとずっと言っていた。
「勿論最初からそのつもりだよ。五月さんもよかったら一緒に行こう」
会長はそんな五月の独り言を聞いていたのか、五月にも一緒に行こうと言っていた。それにしても五月はどうしてそんなに自分を非化するのだろうか。
「いいんですか?」
「勿論だよ」
「当然だろ?」
「勿論、文句はないわよ」
「一緒に行こ―!」
「はい!」
みんなが一緒に行こうと言うと、五月は笑顔になった。
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