表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幼馴染と行くあべこべ世界  作者: ミルフィーユ
エピローグ:あべこべ世界で
124/124

#124:誓いの言葉と優也の想い

最終話です。いつもの分量の二倍くらいあります。

後書きまで読んで行っていただけると嬉しいです

 俺は花嫁たちと共に、式場へと入った。暴動が起きる可能性があるので、一般の人は招待はしていないけど、俺たちの家族と王城で働いている人は、警備の人を除いてほとんどの人が見に来てくれたらしい。




 式は順調に進んでいった。そしていよいよ式も終盤、お互いの愛を確かめ合う時間となった。俺は皆に横に並んでもらって一人ずつ愛を語っていこうと思う。俺はまず初めに碧の前に立った。


「碧」

「う、うん。お兄ちゃん」

「出会いこそ、ごぎちないことになっちゃったけど……元の世界は姉妹はいなかったから、可愛い妹がいてくれて嬉しかった。いつも俺が学校から帰ると、おかえりって言ってくれてありがとう」

「うん」


 俺の言葉に碧は嬉しそうな表情を浮かべた。



「五月」

「はい」

「五月は幼馴染として、小さい頃から俺たちのことを傍で守っていてくれたんだってな。危ないときも身を挺して守ってくれて、本当にありがとう。これからも頼りにしているよ」

「渉君……今から正妻の座をくれてもいいんですよ?」

 

 そうアピールする五月に俺は苦笑を浮かべた。


「由衣」

「んー?」

「由衣は最初は戸惑ったかもしれないけど、楓とそして俺たちとずっと親友でいてくれてありがとう」

「勿論だよー。楓ちゃんは楓ちゃんだからー」

「どこか抜けているけど、俺たちを癒してくれて、場を盛り上げてくれてありがとう。これからもよろしくね」


 由衣はいつも通りのんびりとしている様に見えるけど、俺たちにしか分からないほど小さく、けれどはっきりと喜んでくれていた。


「愛結」

「ああ」

「高校生で生徒会長として、皆をまとめ上げている姿がカッコよかった。俺が困ったときにすぐに相談に乗ってくれて嬉しかった」

「ふふっ。私はお姉さんだからね。もっと頼りにしてくれてもいいんだよ?旦那様」


 愛結はからかう様にそう言った。


「光沙」

「うん!」

「光沙は愛結に近づいてた人を威嚇して遠ざけてたよね。俺のことも威嚇してきたし」

「うっ、それは」

「大丈夫。光沙がとっても親友思いで、優しい人だって分かったから。俺のことを全力で守ろうとしてくれているのはとても嬉しいよ。俺も皆のことを全力で守るよ」

「渉。うぅ~カッコイイよ~」


 光沙は目に涙を浮かべて俺に抱きついてきた。しかし愛結に進行のじゃまになるからと、離させられていた。


「柚香」

「はい!」

「俺を認めてくれてありがとう。部外者だった俺と楓を受け入れると言ってくれて、させてくれてありがとう。王家の一員として生きていくにはまだ自覚が足りないかもしれないけど、全力でさせてほしい」

「勿論です、渉様」


「美柚」

「はい、お兄様」

「美柚ちゃんは、最初は妹としてしか意識していなかった。可愛くて明るい娘だなと思った。でもいつの間にか、おしとやかになって綺麗になったね。……でも偶には前みたいに可愛らしく甘えてくれると嬉しいかな」

「お兄様はそちらの方がいいんですか?考えておきますね」


 美柚はニヤニヤとした表情を浮かべながらそう言った。


「柚穂」

「はぁい」

「最初は結婚するなんて夢にも思ってなかった。柚穂さんは確かに柚香と美柚のお母さんだけど、凄く若々しくて美人だから。けど必要としてくれるのは嬉しかった。長いこと悩んだけど、俺のことが好きだって伝えてくれて嬉しかった。これから先俺と柚香のことをそばで支えてほしい」

「勿論よぉ。私は母親で恋人なんだから……ねぇ?」


 柚穂は妖艶に微笑んだ。


「千佳」

「うん」

「家だとよくだらしない姿を見てたけど、最近は色々と俺のために頑張ってるよね。元々家族のことになると、凄く頼りになるんだけどね。俺が疲れているとき、全力で甘やかせてくれると……嬉しいかな?」


 俺は少し恥ずかしくなりながらそう言った。すると千佳は嬉しそうな表情を浮かべた。


「ふふん、お姉ちゃんに任せなさい?その代わり渉もお姉ちゃんが疲れたときは全力で甘やかすんだぞ~?」

「勿論」


 俺がそう言うと、俺たちの間に笑みがこぼれた。


「恵理」

「はいなのです」

「恵理は明るい子だね。俺たちをいつも元気づけてくれる」

「えへへ。そうなのですか?じゃあ静香はどうなのです?」

「その流れで私に振るの?ま、まぁ早く聞きたかったのは間違いないわ」


 急に話を振られた静香は、驚いた様子を見せつつも期待を込めた目で俺のことを見てきた。


「静香はいつも落ち着いているよね。一緒にいると、とても安らぐんだ。静香に膝枕をしてもらいながら、のんびりと二人で過ごすと、多忙な時でも本当にリラックスできるんだ」

「そ、そう。それは良かったわ」


 静香は嬉しそうに微笑んだ。


「春香」

「わ、渉殿」

「告白には驚いたよ。でもとても嬉しかった。俺が組織に攫われたとき、危険を顧みずに先頭に立って組織の人たちと戦ってくれたんだよね」

「せ、拙者は武士だから当然でござる」

「そうかもしれないけど、凄くうれしかったんだ。でもあまり無理はしないでほしい。俺も春香を守れるように頑張るからね」

「ふふ。拙者を守るでござるか……ふふ、お互いがお互いを守れれば安全でござるな。よし、もっと腕を磨くでござる」


 春香は今後の決意を固めていた。春香らしいと言えば春香らしいけど、本音を言えばあまり無理はしてほしくない。彼女が無理をしなくてもいいように、俺自身も自分の身は自分自身で守れるようにならないとだな。


「桜」

「うん」

「この世界に来たときに、桜と会えて本当に嬉しかった。運命だって思えた」

「それは私だって同じだよ。もう絶対に会えないって思ってたんだもん」

「好きって言ってくれて、こうして初恋の人と結婚できることが嬉しい」

「うん、私も。私も初恋の人と、結婚出来て嬉しい。これからもよろしくね、渉」

「ああ」


 桜は嬉しそうに、頬を赤らめてそう言った。


「渉君、ちゃんと楓ちゃんに思いを伝えなきゃ駄目だよ?」

「ああ、勿論だ」

「そっか。行ってこい!」


 桜は微笑みながら、俺にエールを送ってくれた。幼なじみに肩を押され、いよいよ楓の前に立った。


「楓」

「わ、渉」

「桜が死んだとき、俺のそばにずっと寄り添ってくれたよね?中学校は疎遠になっちゃったけど、高校生の時に付き合うことができて嬉しかった」

「うん。私も、私もだよ渉」

「こっちの世界には何人も恋人がいるけど……それでもこんな俺にずっとついてきてくれてありがとう」

「どういたしまして。でも、私はずーっと渉と一緒なんだから。これから先ずっとね」


 楓は微笑みながらそう言った。


「あー!ずるいよ。私だって一緒だからね楓ちゃん、渉君」


 楓の言葉に、桜は不貞腐れたようにそう言った。他の彼女たちも同じ気持ちだと言ってくれた。


「うん、皆ありがとう」


 俺はこの世界に来て、たくさんの人と出会い、そして彼女が出来た。守りたいものが出来た。この先楽しいことや辛いこと、色々なことが待っていると思う。それでも俺は彼女たちと幸せな家庭を築いていきたい。


「皆、大好きだ。俺と結婚してください」


 俺は様々な想いの中で、最も伝えたいことを簡潔に言った。彼女たちは嬉しそうに返事をしてくれた。そんな嬉しそうな彼女たち一人一人の左手の薬指に、指輪をはめていった。


2019/10/12に第1話を投稿した本作も、2年と4か月ほどの月日で無事完結を迎えることが出来ました。書き始めた当初はこれほど続くと思っていませんでしたが、ここまで何とか続けることが出来ました。これも読者の皆様のおかげです。本編の続きを書くことはこれ以降おそらくありませんが、短編やifなどをもしかしたら書くことはあるかもしれません。


最後になりますが、宣伝をさせていただきます。その他いくつか作品を投稿していますので、よければ是非見に来てみてください。長きにわたりお付き合いいただきありがとうございました。それでは他の作品でお会いできるのを楽しみにしております。

●マイページ

https://mypage.syosetu.com/1623868/

●おススメ作品

彼女が出来てから始まるハーレム作り

https://ncode.syosetu.com/n1934ha/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ