#11:ゲームは疲れる⁉
11話目。みんなでわいわいゲームするのっていいですよね。……てことでゲームネタです!
放課後、いつも通り楓たちと待ち合わせをしていたのだが……どうやら楓さんはご立腹な様子。彼女は機嫌が悪いと頬を膨らませる癖がある。これがまた可愛いのだけど、本気で怒ると怖いので見つめるのはこれぐらいにしておこう。
「随分注目を集めていたようね。陸上部にも勧誘されたんでしょ?」
「それは……断ったよ」
断ったことは彼女も知っているのだろう。
「入ればよかったじゃない」
「俺が運動部に入ると思うか?それにお前と一緒にいたほうが楽しいしな!」
この世界の生活にはそこそこ慣れてきたと思う。けれどやはり変わった部分は大きく、不安な要素もある。だから、楓と一緒にいる時間が多い方がいいからな。
「あ、ありがと」
俺がそう言うと、楓は頬を真っ赤に染めた。すぐに顔を隠してしまったため、その表情はあまり見れなかったけど、最高に可愛かった。
「私たち蚊帳の外だね」
「あたしたちの前で見せつけるなー!あたしも渉君とイチャイチャしたいよ!」
いちゃついてなんかいないと思うんだけど、楓は反論してくれないし、結局2人の頭を撫でて上げることで2人に許して貰えた。何で許しを請うているのか分からないけど、これを外でやるのはかなり恥ずかしかった。通行人がコチラを羨ましそうに見る視線がたくさんあった。普段楓たちと一緒に帰っているだけでも注目を浴びてしまうのに、こんなことをやっていたら更に注目を浴びてしまうだろう。
「それにしても、あたし渉君の家に行くのかー。緊張する」
今日は由衣が楓と家で遊ぶ約束をしていたらしい。その話を聞いた五月も俺の家に来ると言っていたので、4人で遊ぶことになった。
「お兄ちゃん、おかえり!」
玄関のドアを開けると碧が走ってきた。由衣と目線が会った瞬間、碧の視線が鋭くなったような気がした。まぁ、碧に限ってそんなことはないと思うけどね。
「じゃあ早速私の部屋に行きましょ」
「その前に由衣さん!ちょっとだけいいですか?」
「どうしたの碧ちゃん?」
楓が部屋に由衣を連れて行こうとするのを、碧が止めた。不思議に思った五月が碧に理由を聞いたのだが、由衣と2人で話したい事があるとのことだ。由衣の案内は碧にしてもらうことにして、俺たちは先に楓の部屋に向かった。
楓はゲーム機を起動した。このゲーム機はテレビと繋いで使うことも出来るということで、ゲーム用のテレビを買ってもらっていた。最初は母さんも迷っていたものの、俺がお願いしたらあっさりと買ってくれた。
楓は4人遊べるソフトを事前に何本か用意していたらしく、それを起動した。すると、そのタイミングで碧と由衣が部屋に入って来たらしい。どうやら碧の話は終わったらしい。碧は俺と一緒に遊びたかったらしいのだが、今は由衣が来ていることもあったので、遠慮してもらった。――代わりに2人きりで寝るという条件を認めさせられたのだけど。
おかしい。元の世界でゲーマーだったこの俺が、ついていけないだと。ブロックを叩いて
コインやアイテムを手に入れたり、敵を踏んで倒したりと誰もが一度はやったことがあるであろうあのゲーム。何故か、とても難しかった、一面をやっていたはずなのに、俺は1人死を繰り返していた。というのも、1-1といったら栗とか亀とかが普通なはずだ。なのに、いきなりハンマー投げてくる奴が10体ぐらいいたりと、ハードモードだった。簡単なゲームはないかと聞くと、今度は吸い込んで、敵の能力を奪えるゲームをやることになった。このゲームは、他のゲームに比べ初心者向けと言われており簡単なゲームだったはずなのだが、棘のやつがたくさん動いていたり、3体ぐらいのボスが同時に襲ってきたりと、これまた難しかった。他にも色々なゲームをやった。
「渉、ここをこうやって……」
「渉、こうやれば出来るよ」
「渉君、こっち」
俺にアドバイスをくれるのは良いのだが、凄い密着してくる。後半はドキドキして3人が何を言っていたのか全く覚えていなかった。もの凄く精神が疲れた。早く部屋で休みたい。このあと、夕食の時間まで俺たちはゲームをした。
作品紹介!作者の別作品です。こちらも読んでいただけると作者は喜びます!
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