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幼馴染と行くあべこべ世界  作者: ミルフィーユ
アフターストーリー
108/124

#108:愛結先輩の心配と約束

12時に投稿していたんですけど、別作品に投稿してました。

「それにしてもやっぱり渉は人気者だね」

「私の可愛い弟狙う奴は許さんぞー」


 愛結先輩が俺に対して言うと、何故か光沙先輩がそんなことを言った。


「いや、光沙は渉君のお姉ちゃんじゃないでしょう?……全く」

「あ、あはは」


 少し呆れたように言う彼女に対して、俺も苦笑いで賛同したすると光沙先輩はムッとした表情を浮かべた。


「だって渉君が可愛すぎるのが悪いんだもん!それに性格もいいから狙う人が多くって、蹴落とされないように頑張らないと」

「蹴落としたりはしないから大丈夫ですよ」

「うん、渉君がしないのは分かるけど……女同士結構大変なんだよ」


 そういうものなのだろうか?疑問に思った俺は愛結先輩に視線を送る。すると彼女は困ったような表情を浮かべた。


「渉君が前にいた世界よりは大変かもしれないね。皆が皆ってわけでもないけど、ほとんどの人は男性っていう存在に飢えてるからね。パッと見ただけだと、性格は分からないから見た目で判断されることも多くって……」

「渉は顔も良いし、性格もいいから大変なんだよ」

「う、うん」


 光沙先輩が俺に抱き着くと、顔を近づけてそう言った。


「光沙とかはカッコイイから女の子に結構モテてたりするんだけど。その中でも本気で同性に恋していない限りは、ほとんど男性を意識しているだろうから街中を歩く時は気を付けてね」

「は、はい」


 愛結先輩は忠告するようにそう言った。何だか初めて外出をする時みたいだ。


「偶に性格を見て離れて行っちゃうこともあるけど、渉君の場合はそんな女子もいなさそうだからね」

「俺としては普通に接しているつもりなんですけどね」

「……私も驚くくらいだから、普通ではないかなぁ。確かに男の人がそのままの性格で女性だったらと考えると傲慢以外の何物でもないからね」


 姉さんは困ったように笑った。まぁ、男性の傲慢な態度が許されてしまっている、中々この世界に生まれた人だと気づくことはないのかもしれないけど。


「私の可愛い、渉にそんな人たちに会わわせてたまるもんですか」

「それについては私も同意かな?あまりこの世界の男性に会ってほしくない。渉君に変な影響を与えないでほしいからね」


 愛結先輩はそう言うと、俺のことを抱きしめた。「あー!」と羨ましそうに光沙先輩が叫んでいたが、それを無視して彼女は俺の唇にキスをしてきた。


「渉君なら大丈夫だと思うけど、もし間違った方向に……今の渉君が望んでいない方向に考えが傾きそうだったらいつでも相談してね」

「はい」

「じゃあ。暗い話はこれでおしまい。そろそろ着くっぽいし、準備だけしてね」




 車から降りて、俺たちはショッピングモールに入った。いつもより、視線を浴びているような気がする。ある程度柚香が情報を抑えてはくれているっぽいんだけど、それでも何処からか情報が漏れてしまっているのだろう。


 話しかけてくることはないけど、明らかにこちらを向いている視線の数がいつもよりも多い。


「渉君、大丈夫かな?」

「ま、まぁ。慣れてはいないけど、不快に感じているわけではないから大丈夫ですよ。それに二人とのデート楽しみにしてたので」

「そっかそっか、偉いぞ渉君」


 愛結先輩はそう言うと、俺の頭をやさしくなでた。光沙先輩は「渉~」と言いながら、俺に抱き着いてきた。


「そ、そろそろ行きませんか?」

「おっと、そうだね。ここだと目立ってしまうから」


 いや既に目立っているよと周りの女性たちは思ったそうだが、当事者の三人はその思いに気づくことはなかった。ちなみにデートの間、渉がいる付近の人口密度は他の場所に比べてとんでもないことになっていたらしい。

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